セカンドハウスの需要は年々高まりを見せていますが、購入には高額な費用がかかり、年間の維持費も必要です。第2の拠点を所有するということは人生においても大きな挑戦ですが、物件選びや使い方を間違えると大きな失敗を招きます。
どのようなテーマでセカンドハウスを利用するかによって選択の幅に大きな変化が出るため事前に準備をすることが大切です。
セカンドハウスのメリット・デメリット、失敗しないための注意点について紹介します。
セカンドハウスのニーズが急増している理由
近年セカンドハウスを所有する人が増えていますが、その背景にはテレワークの推進や、新しい環境の構築などのニーズなどがあります。
テレワーク専用住居としても利用できる
セカンドハウスを所有する目的は仕事のためであったり、休日に利用するためであったりと人それぞれですが、どのような理由であれ急な仕事が入ってくることは珍しくありません。
業種にもよりますが、テレワークの推進によっていつでもどの場所でも働くことのできる環境が整備されているため、地方や田舎に住まいを持つセカンドハウスの環境はテレワークに適していると言えます。
2拠点生活でワークバランスが改善する
仕事用、プライベート用、本宅とセカンドハウスの2拠点生活では目的に合わせたライフスタイルを送ることができます。同じ場所に留まることはストレスも溜まりやすいですが、全く違う環境に身を置くことで気分も一新し、ライフワークバランスの改善にも繋がります。
賃貸で支出を抑えることが可能
税制上の軽減措置が受けられることがセカンドハウスを所有することの利点ではありますが、多くの資金が必要なため手が出ない場合がほとんどです。賃貸契約なら必要な時期だけ使うことができ、少ない費用でセカンドハウスの体験ができます。
今後購入を検討している場合にも賃貸を一度利用してみることはおすすめです。
セカンドハウスのメリット
セカンドハウスを所有することでどのようなメリットがあるか見ていきましょう。期限付きのものがあるため、前もって準備することが重要です。
固定資産税など税金の軽減措置が受けられる
自治体にセカンドハウスの申請を出し認められると、固定資産税、都市開発税、不動産取得税の軽減措置を受けられます。物件の購入時に通常は4%かかる不動産取得税は3%に引き下げられ、毎年必要な固定資産税や都市開発税は課税標準額が1/6または1/3まで減額されます。
固定資産税と都市計画税は地方税なので、都道府県及び市町村によって基準が異なることがあるため最寄りの都道府県税事務所に相談すると良いでしょう。また申請には期限があり、物件の取得後60日以内でないと受付不可となります。
住民票を変更することなく生活拠点にできる
セカンドハウスは生活する上での本拠ではないため、住所を自宅に残したまま利用できます。定年退職後に本宅として引っ越すことも考慮して購入する人も増えているため、後々に住所変更を検討するのも良いでしょう。本宅よりもセカンドハウスを利用する機会が増え、引っ越すことになれば住民票を移す必要があります。
新しい環境での体験ができる
基本的にセカンドハウスは自宅から離れた田舎や地方などに住居を構えることが多いため、普段とは全く違う環境に身を置くことができます。自宅とは違い必要な家具や持ち物だけを室内に置くこともできるため、友人や会社の同僚を招待しやすい環境です。近隣住民との出会いや交流によって新たなコミュニティの輪が広がることも多いでしょう。セカンドハウスを持つことは心や行動にも大きな変化が現われます。
仕事とプライベートを分けることができる
仕事用の場所として使うことや、プライベートを充実させることなどセカンドハウスを利用する用途は様々です。仕事や趣味といった日常の目的が異なる住居が増えることで毎日の生活にメリハリも生まれるでしょう。セカンドハウスを持った暮らしにおいては、住居者自身がテーマを決められることが大きな利点です。どのような暮らしをしていきたいか事前に計画を立てることで、自分に合った有意義な時間を過ごせるでしょう。
セカンドハウスのデメリット
次にセカンドハウスを所有することによるデメリットを見ていきましょう。
月に1回以上訪れて生活する必要がある
セカンドハウスとして認められるには平日に利用するか、週末に利用するかといった合理的な理由が必要です。極端に距離が遠く時間がかかる場所に通う場合は往復するだけでも疲弊してしまいます。月に1日以上は利用する必要がありますので、車や公共の交通機関から通いやすい場所を選ぶと良いでしょう。
ローンの審査が厳しくなる
セカンドハウスローンの審査基準は高収入を安定して得られるかに重点をおいており、年収が500万円以下であるなど、個人事業主やフリーランスの人は不利になる傾向にあります。
また通常の住宅ローンよりも金利が高いというデメリットがあります。
フラット35は長期固定金利型で、職業による審査基準はありませんが住宅金融支援機構の基準を満たしていない住宅である場合は借り入れできません。変動金利型と比べ借入金利が高い傾向にあります。どちらも一長一短あるので利用の際は自分に合ったものを選びましょう。
住民税や管理費用が必要になる
セカンドハウスの場合、住民税は全ての住民に一定額が課される均等割の支払いが適用され、管理費や修繕費、上下水道基本料、水道光熱費など、多くの費用が必要となります。また家具や機材は数年から数十年おきに交換が必要となってくるため、購入には現状と将来的な収入とのバランスを考えた上で決定する必要があります。急な出費が続くことで後々の運用が厳しくなる可能性もあるため注意しましょう。
使い方によっては寝るだけの利用になる可能性もある
セカンドハウスは最低でも月に1日は利用する必要があるため、仕事が忙しい中でも定期的に訪れなければなりません。長時間勤務が続き、本宅との往復にも時間がかかる場所であれば就眠に使うだけの住居となってしまう可能性もあります。勤務時間についてコントロールすることは難しいですが、セカンドハウスの場所選びは事前に計画を立てることで失敗を回避できます。自分にとってベストな場所、使い方を検討しましょう。
失敗しないための選び方と注意点
自宅との移動時間の兼ね合いから検討する
セカンドハウスを選ぶ際は、本宅から近すぎず遠すぎない場所が望ましいとされています。
本宅から近すぎればそもそも利用する必要もなく、遠すぎれば往復に時間がかかってしまい疲れがたまります。以上のことからセカンドハウスへ到着するまでに適した移動時間を考えた場合、1時間〜2時間程度で着く場所が好ましいでしょう。
ゆったりとした環境を選ぶ
実際に住んでみると日中から夜にかけて騒音が響き渡り、全くリラックスできない環境である場合があります。防音対策がされておらず建物の構造上音が反射してしまうことが原因ですが、窓に防音ボードをはめたり、家具を配置したりすることで音を吸収し防音性も高くなります。ゆったりとした環境の中でなら仕事も趣味の時間もはかどります。
中古物件の場合は再建築可能か確かめる
中古物件を購入する際には、法的規制に反している、構造上問題があるなどの理由で再建築が不可能な物件があるので事前に確認しましょう。問題の多い物件は格安で販売されていることがありますが、負の遺産となる恐れがあるため金額面だけに捉われずより良い物件を選びましょう。
気候に適した建物か調査する
セカンドハウスは地方や田舎など、本宅から離れた場所を選ぶのが一般的ですが、地域によって大きな気候の変化があります。冬に雪が積もることの多い場所であれば、雪用の対策を備えた設計にする必要があり、夏にカンカンと日光が当たり建物の温度が跳ね上がるのであれば、日光を遮るためのリフォームを行う必要があるかもしれません。地域の気候の変化に適した建物かどうか購入前に調査をしましょう。
専門家へ相談する
購入にあたり物件に関する様々なデータを手に入れたとしても、個人では判断が難しいことも多々ありますが、困った時は専門の業者へ相談するのも一つの手です。積水ハウスの提供するおうちで住まいづくりでは、資金や土地探し、設計相談、敷地調査など、無料で様々な相談ができます。物件を選ぶ際には専門家の意見を聞くことによって正しい情報が得られます。
参考:積水ハウス おうちで住まいづくりより
まとめ
セカンドハウスのメリット・デメリットについては事前の準備を行うことによって大きな違いが出てきます。ストレスの多い現代社会において2拠点生活は一つの憧れではありますが、使い方を間違えると大きな失敗へと繋がります。特に注意したいのはセカンドハウスの場所選びと建物の調査です。将来的に資産として残せる強みになるはずが、負の遺産となっては元も子もありません。しっかりとした資産計画を立てられるならセカンドハウスは最高の住まいとなるでしょう。
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