「生活費を抑えるために地方移住するか迷っている」「住みやすい地方のエリアが知りたい」と地方移住を検討している方に向けて、地方における働き方について解説します。そもそもテレワークの普及に伴って地方移住する人が増えたのはどうしてでしょうか?今回の記事では、地方移住の人気が高まっている背景や、人気のある地域について紹介します。さらに、支援金や補助金などのお役立ち情報も併せて紹介しますので、ぜひ参考にしてみましょう。
テレワークのため地方移住が人気の背景
近年、テレワークの普及に伴って、都心部から地方に移住して仕事を行う人が多く見受けられるようになりました。この章では、地方移住の人気が高まっている背景について解説します。
ふるさとテレワークの推進
都市部の仕事をそのまま地方で行う働き方は「ふるさとテレワーク」と呼ばれており、総務省によって提言されている概念です。地方創生や働き方改革の実現を目指すための取り組みとして、ふるさとテレワークが推進されるようになりました。今までは「地方に仕事がない」という理由で、地方移住をためらう人が多く存在しましたが、テレワークが一般的に認知されたことにより、地方移住への動きが加速しています。
また、サテライトオフィスを整備する企業の動きも、顕著に見られるようなりました。サテライトオフィスとは、本社とは別に構えられるオフィスを意味します。従業員が働きやすい環境作りを行う企業が増加しているのです。
新型コロナウイルスの影響
テレワークを導入する企業が増加した背景には、新型コロナウイルスが大きく影響しています。2020年1月に国内で最初の感染者が確認されてから、感染症対策としてステイホームやマスク着用など、様々な取り組みが行われてきました。企業が行う取り組みでは、テレワークの実施が推進され、多くの企業がテレワークの働き方を採用するようになりました。実際にテレワークを導入することで、多くの企業が通勤負荷の軽減や、業務の効率化などのメリットが得られたと感じています。
このように、新型コロナウイルスは生活や働き方を見直す機会となったのです。
テレワークで地方へ移住する人の支援金・補助金とは
地方公共団体を主体とし、地方移住やテレワークの推進を目的とした様々な支援金・補助金制度が整備されています。この章では、内閣府が運営している移住支援金について確認していきましょう。
「地方創生」:移住支援金
内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局と、内閣府地方創生推進事務局が運営している組織の「地方創生」は、移住支援金事業を行っています。
地方創生は、都心部における過密問題を是正し、地方で住みやすい環境を整えて、活力のある日本社会を継続させることを目的とした組織です。支援金の他にも、移住情報の提供や、地方大学・地域産業創生交付金、サテライトキャンパスの設置、企業版ふるさと納税など様々な取り組みを行っています。
開始時期
地方創生による移住支援金事業は、2019年度から6年間を目途に実施されます。 開始時期、支給額等の制度の詳細は地方公共団体によって異なるため、地方公共団体のホームページで確認してください。また、移住のタイミングや期間に条件があるので注意しましょう。
・移住支援金の申請が転入後3か月以上1年以内であること。※1
・申請後5年以上、継続して移住先市町村に居住する意思があること。※2
支援額
基本的に100万円以内、単身の場合は60万円以内の支援額です。しかし、支給される金額は移住先の都道府県によって異なるため、各地方公共団体に確認しましょう。
また、地方創生は社会的事業を起業する方を対象にした、最大200万円の助成金制度を設けています。そのため、地方へ移住して社会的事業を起業した場合は最大で300万円の支援が受けられる可能性があるのです。
対象者
地方創生で設定されている対象者は以下の通りです。
・東京23区の在住者または東京圏から東京23区へ通勤している者※3
移住直前の10年間で通算5年以上は、23区に在住するか通勤している必要があります。23区内の大学等に進学した方に関しては、通学期間も対象期間に加算可能です。東京圏は、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県を指しますが、条件不利地域として対象地域外に設定されているエリアもあるので注意しましょう。
移住先での要件
移住先での就業に関して、以下のいずれかの要件に該当する必要があります。
・地域で中小企業等へ就業
・テレワークによる業務継続
・市町村ごとの独自要件
・地方創生起業支援事業を活用
詳細に関して、公式ホームページで紹介されていますので確認しましょう。
地方創生 https://www.chisou.go.jp/sousei/ijyu_shienkin.html
※1~3 地方創生公式ホームページ「移住支援金」より引用
テレワークで働く人から人気な地域
地方移住先として人気な地域にはどこが挙げられるのでしょうか? この章では、テレワークを行う人が住みやすいと感じる都道府県を紹介します。
静岡県
大きく分けて伊豆・東部・中部・西部のエリアから構成される静岡県は、移住先として高い人気を集めています。「ふじのくに」とも称される静岡は、海、山、川に囲まれており、豊かな自然の中で家族や子供との時間を楽しめる場所です。「熱海温泉」や「富士サファリパーク」などの観光施設も充実しています。東京駅まで新幹線で60分とアクセスも良好で、本社に出勤する必要があるときも、安心です。
静岡県公式移住・定住情報サイト「ゆとりすと静岡」では、静岡での移住生活をまとめた動画が紹介されていますので、興味のある方はご覧ください。
「はじめよう、静岡暮らし。」ダイジェスト版
https://www.youtube.com/watch?v=_HCd0Ke4J5Q
山梨県
雄大な山々に囲まれた山梨県は、東京に隣接する県です。2013年6月に世界文化遺産として正式に認定された富士山が位置する場所としても知られています。ブドウやモモ、スモモなどの果物の生産量が全国1位を誇り、活発な地場産業の地としても有名です。新宿駅から甲府駅までJR中央線でアクセスできるなど、東京にも出やすい点が移住地域として人気がある理由に挙げられるでしょう。移住に関して、山梨、東京、大阪の相談窓口やオンラインで相談することもできます。やまなし移住・定住総合ポータルサイトでは、実際に移住した人のインタビュー動画が紹介されていますのでご参照ください。
山梨県×Turns×Tokyo fm「デュアルでルルル♪」スペシャル企画 河西誠さん(道志村×東京 二拠点居住)
https://www.youtube.com/watch?v=QOUP8pgsFO0
長野県
長野県は全国で4位の面積を誇る地域で、人口約202万人が生活を営んでいる場所です。北アルプス、松本、木曽、上伊那、南信州、北信、長野、上田、佐久、諏訪のエリアから構成されています。軽井沢や野尻湖、上高地などの地域は避暑地としても有名です。暑い夏を快適に過ごすことができるので、季節に合わせて移住生活を行っている人も存在します。移住者の体験談が以下のURLからご確認いただけます。
移住者体験談一覧 https://www.rakuen-shinsyu.jp/modules/migrants/
福岡県
九州の北部に位置する福岡県は、国内外の玄関口としても知られている県です。飛行機や新幹線、都市高速道路、など公共交通機関が充実しており、アクセスしやすい点が移住先として人気を集める理由といえるでしょう。
さらに、新鮮な海鮮や、イチゴやイチジクなどの果物、ラーメン、うどん、水炊き、もつ鍋など、グルメの地としても高い人気を誇ります。特に屋台の店舗数は日本1位であり、焼き鳥やおでんなどの屋台料理も楽しむことができる場所です。
移住者のインタビューは、以下のURLをご参照ください。
移住者インタビュー https://ijuu-teijuu.pref.fukuoka.lg.jp/interviews/
宮城県
宮城県は、真夏日と真冬日の合計が20日より少なく、住みやすい気候が魅力的な地域です。東北新幹線を利用すれば、東京駅まで約1時間30分で到着できます。
また、牛タンや仙台ラーメン、フカヒレ、ずんだ餅など、グルメでも有名です。宮城県の魅力は交通やグルメだけでなく、海と山に囲まれた立地なので、豊かな自然の中で子育てができる点に魅力を感じている人が多く存在します。みやぎ移住ガイドでは、移住者の声が紹介されています。
移住者インタビュー https://miyagi-ijuguide.jp/interview
自分にぴったりな場所への移住
今回の記事では、「住みやすい地方を探している」「地方でテレワークして生活費を抑えたい」と地方移住を考えている方に向けて、地方におけるテレワークについて解説しました。新型コロナウイルスの影響によって、多くの企業が実施し始めたテレワークですが、どこでも仕事できる働き方は地域創生や働き方改革のソリューションとして期待されています。地方移住者を対象にした支援金制度なども整備されており、国や企業レベルで地方移住が促進されています。静岡県や山梨県など、移住先として人気の高いエリアについても紹介しました。地域ごとの魅力を理解して、自分に合った場所を探してテレワークを行いましょう。
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