2020年末に流行した新型コロナウイルスを契機に、テレワークや転職など、新しい働き方に踏み出す人も多いでしょう。今とは違う地域で働きたいと思った時にキーワードの1つとしてあげられるのが I ターンです。この記事では、 I ターンの特徴や、 I ターンのメリットやデメリットについてとりあげます。さらには、どんな人が I ターンを行っているのかや、地方への移住を行いたい人に向けての自治体からのさまざまな支援についても紹介します。



I ターンって何?地方移住との違いは?




UターンとJターンとの違いは?

地方移住を伴う働き方には、大きく分けてUターン、Jターン、 I ターンの3種類があります。

Uターンはその名の通り、地方で生まれ育ち、都会の学校に進んだ人や都会で就職した人が生まれ育った地域に戻って働くことを指します。Jターンは、地方に生まれ育った人が都会の学校に進んだり就職したりした後、地元までは帰らず別の地方都市で働くことを表します。 I ターンはUターンやJターンとは違って、都会で育った人が地方に移住して働くことをいいます。地方都市に魅力を感じ、住みたいと思った人や、転勤・転職をきっかけに移住することになった人がよく I ターンをするようです。



どんな人がターンをしているのか?




都会の生活に疲れた人

都会で生活していると、満員電車で通勤をしなければならなかったり、物価が高いので生活費を節約したりする必要があります。地方には余裕を持った働き方をしている企業も多数ある一方、都会では残業がある企業も多いです。毎日仕事にいそしむうちに、よりゆっくり過ごしたいと思う人が、地方への移住を決めるようです。都会で生まれ育った人にとっては、地方への移住はリフレッシュに適しているといえるでしょう。


地方でのびのび子育てを行いたい人

東京などでの都会は、近隣住民との兼ね合いや再開発などで、公園など遊ぶ場所が年々減っています。レジャー施設で遊ぼうとしても、都心にある施設だと人が多くて行くだけで疲れてしまう…といったこともあるのではないでしょうか。

地方では、山や川、海などの自然がたくさんあったり、家と家の間が広かったりする場所もあるため、子供とのびのび遊ぶことができます。さらに、人口が多くない地域では待機児童問題も少ないため、安心して子供を預けることができます。

地方の方が、子供を安心して預けられたり、周りの人のサポートを借りながら自然の中でのびのび子育てができたりするので、地方で仕事をしながら子育てすることを選ぶ人もいるようです。


自然の多い環境に憧れた人

山や川、海など自然に囲まれてリラックスして生活したいという人が、地方への移住を決意しているようです。 空気が綺麗な中で過ごすとストレス解消にもなるので、ゆっくり過ごしたいという人は地方への移住を考えてみるのも良いでしょう。 自然に囲まれた環境で過ごしていくうちにリフレッシュができて、都会で忙しく働くよりも仕事が捗る、といった人も多いようなので、自分がしたい過ごし方を見極めて地方移住を決めることもおすすめです。



I ターンをするメリット・デメリット




I ターンをするデメリット


満員電車で通勤する必要がなくなる

都会では、多くの人が電車で通勤しています。通勤時間帯の電車は混んでいるため、仕事以前に通勤のストレスになってしまっている人も多いのではないでしょうか。地方では、車での出勤が主流です。自らで運転する必要はありますが、慣れれば人数の多い電車よりも通勤が楽に感じる人も多いでしょう。


生活コストを抑えることができる

地方では、家賃や食費などの生活費が安いことが多いです。都会に住んでいた時の同じ家賃でも部屋が多かったり、広い家が借りられたりするので、のびのびと落ち着いて生活することができます。余裕を持った暮らしがしたい人におすすめです。


自然の中で落ち着いて過ごすことができる

都会では人や建物が多く、混み合った環境に疲れてしまうという人も多いでしょう。地方では、山や川、海があるため、リフレッシュして、落ち着いた生活を送ることができます。


人と人の深いつながりを作ることができる

都会に住んでいると、人が多いので近隣に住んでいる人との関わりが薄くなりがちです。一方地方では、人口が少ないため、近隣住民や職場の人との深いつながりを作ることができます。子育てなど、お互いにサポートをすることもできるので、様々な人と関わりたい!という方には地方移住はおすすめです。


I ターンをするデメリット


インフラが不安定な地域がある

都会では電気や水道、歩道などのインフラがしっかり整備されていることが多いですが、地方では不安定な部分も多いです。教育設備や医療設備なども少ないことがあるので、事前にしっかり調べておきましょう。


一人暮らしだと移動が大変

地方では、電車やバスの本数が少なく、行きたいところまで行きにくいことが多いです。移動手段として主に用いられるのは車ですが、一人暮らしだと移動のたびに自分で運転する必要があるので、少し大変です。


移住先の風土に馴染むまでに時間がかかる

都会と地方では、生活方法が大きく異なります。移住してすぐの時は、日常のルーティーンなどを新しく考える必要があるため、負担になることもあります。



I ターンをしたい人へ向けた支援




各都道府県の自治体の支援

地方活性化をねらって、各自治体が支援金を出していたり、情報提供を行ったりしています。目的別に自治体の支援を紹介します。


住まいに関する支援

・北海道

北海道は、移住を考えている人向けに、相談窓口「北海道ふるさと移住定住推進センター」を開設し、住まいや仕事の情報を提供しています。住まいの情報をたくさん手に入れることで、移住に対するイメージを具体的に持つことができます。


・京都府

京都府では、条約に基づいて「京都移住コンシェルジュ」の配置をしています。京都府への移住を考えている人に向けて、相談だけではなく、現地を訪れて定着するまでのサポートを行ってくれるので、初めて住む土地でも安心して移住できます。


・長野県

長野県は、長野県に移住を考えている人向けに、住まいの情報を提供する「楽園信州空き家バンク」を設置しています。移住者の希望に合わせて、庭がある部屋や広い部屋など、さまざまな部屋を探してくれるので、気に入った住まいを選ぶことができます。


子育て事業に力を入れた支援

・宮城県

宮城県では、移住者向けのサイト「みやぎ移住ガイド」で、子育てや出産支援情報を発信しています。現在いる子供の人数に応じて支援金を出していたり、さらには不妊治療のための支援金を出している市もあります。子育てのために頼れる制度が整備されているといえます。


・千葉県

千葉県では、子育て世代の定住を目指して、結婚をきっかけに移住してきた人に支援金を出したり、リフォーム工事に対して補助金を交付したりなどしています。若い世代にへの支援が手厚いので、あてはまる方は移住を考えてみても良いと思います。


仕事に関する支援

・静岡県

静岡県では、東京圏から静岡県に移住して就業、起業した人に最大100万円を支給する「静岡県移住・就業支援金制度」を実施しています。さらに、移住・定住情報サイト「ゆとりすと静岡」では、その他の支援金や移住経験談なども発信しています。


・山形県

山形県は、県の移住交流ポータルサイト「やまがた暮らし情報館」で仕事探しに関する情報や支援情報を発信しています。農業を始めたい人向けの情報も発信しているので、転職して農業に携わりたいという人にもおすすめです。


・愛知県

愛知県には、東京 23 区 から愛知県へ移住し、移住支援金対象求人に就業した方に、国 ・ 県 ・ 市町村が共同で支援金を支給するという移住支援金制度があります。その他にも「あいち UIJ ターン支援センター」 では、企業情報や地域情報が発信されていたり、個別相談が行われていたりと、 移住・就職に対して手厚い支援が行われています。



まとめ

 I ターンとは、都会出身の人が地方に移住して生活や仕事をすることでした。都会と地方では生活方法が異なるところもあるので、移住してすぐは大変なこともあるでしょうが、自然に囲まれてゆったりと生活や仕事、子育てができるなどのメリットもあります。

 I ターンを考えている人向けの支援も、住まいに関するものから仕事に関するものまで様々なので、 I ターンを考えている人は利用を考えてみるのも良いです。



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