コロナウイルスによりリモートワークが普及したことで、地方への移住に関心が高まっています。しかし、新しい環境での生活がイメージできず、なかなか移住の決意を固めることができずにいる方も多いのではないでしょうか。そんな、「移住をしてみたいけど、移住先での生活に不安がある」という方におすすめなのが、“おためし移住”です。この記事では、おためし移住について、メリットや注意点、実際の例などを紹介していきます。
おためし移住とは?
そもそもおためし移住とは、地方への移住を考えている方を対象に、地方自治体により行われている移住を推進する活動のことです。おためし移住では、実際にその土地に住むことにより、土地の魅力を感じ、住み心地がどのようなものかを体験することができます。
また、移住のための取り組みであるため、観光や宿泊施設としての利用はできません。さらに、おためし移住を実施している地方自治体は限られています。地方自治体によって、おためし移住が可能な期間やその費用などの条件も異なるため、事前にしっかりと確認をしておくことが大切です。
おためしで移住するメリット
では、おためし移住にはどのような魅力があるのでしょうか。以下では、おためし移住のメリットについて紹介します。
移住後の暮らしを具体的にイメージできる
おためし移住では、実際に移住を考えている土地に住むことができるため、移住後の暮らしを具体的にイメージできます。「買い物はどこですれば良いか」「子どもの学校や遊ぶ場所はどこが良いか」など、その土地で生活することにより移住先について詳細に考えることができるでしょう。また、その土地に暮らす人と関わることができることも魅力の1つです。自分が理想とする暮らしができるかを判断するきっかけとなるでしょう。
費用を抑えて地方での暮らしを体験できる
実際に移住する場合は、家具や家電などを用意して、運搬しなければなりません。しかし、地方自治体によるおためし移住では、必要最低限の家具や家電が用意されている宿泊施設を利用することが可能な場合があります。他にも、家具を有料でレンタルできるおためし移住もあるなど、費用を抑えて地方での暮らしを体験することができます。自分に必要な生活用品を持ち込むだけで良いというのは、大きなメリットと言えるでしょう。
実際に移住するよりも気軽に実行できる
おためし移住は、その名の通り「おためし」であるため、実際に移住を始めるよりも気軽に地方での暮らしをすることができます。どの地域に移住するか悩んでいる方や、地方での暮らしに不安を抱えている方にとって、おためし移住は大変有意義なものとなるでしょう。移住してから後悔するようなミスマッチを防ぐためにも、まずは気軽なおためし移住で体験することをおすすめします。
自治体の支援を受けることができる
地方自治体によっては、おためし移住の際の宿泊施設を無料で提供してくれる場合もあるなど、支援を受けることができます。また、長期滞在の割引制度や、家賃の一部を補助してくれる地方自治体もあるため、事前にしっかり調べておくと良いでしょう。さらに、おためし移住先によっては、古民家を宿泊施設として利用できる場合もあります。その地方ならではと言える魅力を、地方自治体の支援によって感じることが可能でしょう。
おためしで移住をする際の注意点
魅力がたくさんあるおためし移住ですが、しっかりとした計画や事前の情報収集も欠かせません。以下では、おためし移住において理解しておくべき注意点について紹介します。
目的に合ったプランや制度を活用する
ただ地方での生活を体験するためにおためし移住を行うと、実際に移住を決めた後に後悔してしまう可能性があります。おためし移住をする目的は何か、という点を明確にした上でおためし移住を行うことが大切です。移住先となる地方に関して、「地域性を知りたい」「周囲の人間関係について知りたい」「働き方を知りたい」などのはっきりとした目的を決めましょう。その上で、おためし移住のプランや制度を活用できるように計画することがおすすめです。
おためし移住にかかる費用を計算する
おためし移住をするにあたって、宿泊施設の利用料や食費、交通費などを計算し、余裕を持って用意しておくことが大切です。地方自治体の支援を受けることで、個人で滞在する場合に比べ、安い価格でおためし移住をすることができるでしょう。しかし、おためし移住のプランや地方自治体によっては、光熱費や共益費などの費用がかかる場合もあります。そのため、あらかじめ詳細を確認した上で、おためし移住の費用を計算するようにしましょう。
支援制度を上手く活用する
地方自治体によって提供されているおためし移住の支援制度を上手く活用することで、安心しておためし移住を行うことができるでしょう。おためし移住の費用や、持ち込みが必要な生活用品を最小限に抑えることが可能です。自分のおためし移住の目的に合わせて、どのような支援制度を利用することが最適であるかを調べましょう。
おためしで移住をする方法
ここまで、おためし移住のメリットや注意点を紹介しました。しかし、「実際におためし移住をするにはどうしたら良いの?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。ここからは、実際におためし移住をする際の流れを紹介します。
おためしで移住する目的を考える
まずは、おためし移住の目的を考える必要があります。なぜなら、前述した通り、いざ移住をした後で後悔するようなミスマッチを防ぐことに繋がるからです。おためし移住をすることで、何を知りたいのかという点を事前にはっきりさせておきましょう。
おためしで移住する地域を決める
目的がはっきりしたら、続いておためし移住の地域を決めましょう。インターネットなどを利用し、自分が理想とする生活ができそうな環境や、住みやすそうな場所を検討することをおすすめします。ある程度地域を絞った後で、おためし移住についての情報を掲載している地方自治体なども探すと良いでしょう。
移住のおためしの制度やプランを調べる
次に、移住先に決めた地方自治体が提供している制度やプランについて調べましょう。地方自治体によって、制度やプランの内容は異なるため、しっかりと確認することが大切です。おためし移住のために必要な条件なども設けられている場合があるため、条件を満たしているか把握することも重要です。
おためしで移住をする日程を決める
おためし移住の日程を決める際は、滞在期間を長期間にするか、短期間にするかを考えなければなりません。地方自治体によって、滞在可能な日数を定められている場合や、希望する日程での滞在に空きがない場合もあります。しかし、地方自治体が柔軟に対応してくれることもあるため、まずは希望する日程を伝えると良いでしょう。また、仕事の日程を考え、仕事との両立ができるように計画することも大切です。
おためしで移住を始める手続きを行う
最後に、おためし移住を始めるにあたって必要な手続きを済ませましょう。申請書を地方自治体へ郵送するか、インターネット上で申し込みができる場合があります。地方自治体による承認を得ることができたら、誓約書や本人確認書類など、必要な書類を提出しましょう。手続きが完了したら、おためし移住に必要な準備をして、おためし移住生活の始まりです。
移住のおためしの例
おためし移住には、様々な種類のプランがあります。自分の目的に合ったプランを探し、移住を決める際の参考にすると良いでしょう。
お任せプラン
お任せプランでは、企業や地方自治体によってあらかじめ決められたプランに沿って地方での暮らしを体験することができます。プランについて説明を受けた後、空き家を探したり、実際に移住した方の話を聞いたり、食事会に参加したりするなど、その内容はさまざまです。
自分で条件をカスタマイズできるプラン
自分の希望する日程や内容を伝えることで、それに合わせて作られたプランに沿って体験できるものもあります。地方自治体に対し、事前に体験したいことや知りたいことなど、おためし移住の目的を伝えることが必要です。自分の目的に合わせたプランになるため、移住先となる地域について詳しく知りたい方におすすめです。
現地で様々な体験ができるプラン
移住先の地域における職業を体験できるプランもあります。実際に移住した後、どのように働くかについて具体的なイメージを掴むきっかけとなるでしょう。また、地元の方と実際に交流する貴重な機会を得ることができるため、交流を深めることが可能な点も魅力です。その地域の暮らし方について知ることができるでしょう。
住居のおためしに特化したプラン
宿泊施設に泊まるのではなく、実際の住居や古民家などに滞在することができるプランもあります。宿泊料や光熱費が無料で、必要な家具や家電が備え付けられていることもあり、気軽に滞在することができるでしょう。その地方ならではの雰囲気をのんびりと感じることができる点も魅力です。
まとめ
おためし移住は、地方への移住になかなか踏み切れない方におすすめです。地方へ移住した後の生活について具体的なイメージを掴み、その地域の魅力を体感することができるでしょう。
地方自治体により、様々なおためし移住のプランが用意されており、その内容も選ぶことができる場合もあります。リモートワークが普及している今だからこそ、地方へ移住するチャンスです。
おためし移住を利用して自分の理想にぴったりの移住先を見つけ、新しい暮らしを始めてみると良いでしょう。
関連記事