今はどこでも出来る仕事が増えてきたので、その影響から田舎暮らしを視野に入れている人も増えています。
しかし、経験のない田舎暮らしでは思ってもみなかった困難なことがあったり、今までと勝手が違い困惑してしまい「田舎暮らし失敗したかな?」と思ってしまうことがあった経験者も少なからずいるでしょう。
では、田舎暮らしを失敗したくない人の為に今回は田舎暮らしの落とし穴を紹介していきます。
田舎暮らしのデメリット
都会暮らしと比べてみた、田舎暮らしのデメリットを紹介していきます。
生活インフラが整っていない
田舎のバスは都会と比べて、運賃が高いのが特徴です。都心にいれば一律料金ですが、田舎では金額の変動があり、遠くまで乗れば乗るほど運賃は上がっていくため、移動する距離が長いと都会で暮らしていた時より交通費が高くなってしまいます。
また、路線や本数も少なく、1時間に数本しかないということも珍しくなく、乗りたかったバスに乗り遅れると1~2時間待たなければならないということも出てくるのです。
このように生活インフラが整ってないため、地元の人たちは車を所持しており、快適な田舎暮らしがしたいのであれば、ガソリン代や車検費用など車の維持費もかかります。
そのため、バスも車も、場合によっては都会での交通機関に使っていた金額より高くなってしまうのです。
賃金が低い
田舎は都会に比べて給料が低いのです。県ごとに提示してある最低賃金などをホームページでみるとびっくりしてしまう人もいるのではないでしょうか。
厚生労働省令和2年賃金構造基本統計調査の都道府県別の月賃金を見てみると東京では37万、大阪も32万など都会では30万を超えていますが、地方に行けば行くほど25万前後と月賃金格差が浮き彫りになっています。
参考:厚生労働統計より
仕事が選べない
仕事がないわけではありませんが、田舎ならではの仕事が多く、今までの知識を生かせるような仕事があるかといわれると悩ましいところです。
就職しても人手が足りていないところが多く、求めていた仕事以外の仕事も臨機応変にこなしていかないといけないので、どの仕事もなんでも屋さんのような作業が多いところがあります。
勿論、出来ないものは無理せずに「出来ない」と伝えましょう。
娯楽施設が少ない
大自然でキャンプやBBQを楽しむなどという娯楽はあるものの、娯楽施設は本当に少ないです。「娯楽施設を求めて隣の市まで車で1時間」という話もよく聞きます。
味のある古いお店が多く、閉まるのも早いので他で楽しみを探すことが必要です。
田舎暮らしの失敗例
デメリットを話してきましたが、次は田舎暮らしをしてみて失敗したなぁという人や地域の人の田舎の紹介コラムなどを読んでよくある失敗例を解説していきます。
車を持っていなかった
田舎は都会ほど交通の便が良くなく、1本逃すと次に来るのが30分後、1時間後というところがほとんどです。
そのため、田舎では車は必需品であり、ほとんどの人が車で移動をすることが多く車を持っていないと不便に感じます。田舎での生活に失敗しないためにも、まだ車を持っていない人は、車の購入も頭に入れておいた方が良いでしょう。
病気にかかった時に困った
家族や自分が病気になると大変です。生活インフラが整っていない場所だと通院やお見舞いに行くのにも都会以上の時間とお金が必要になります。
移住夫婦の体験談のように、ご主人の入院で奥様が慣れない田舎に一人残されるのは大変辛いことです。近くに病院がない場合、隣町まで車で1時間かけて行かなければならないこともあり、田舎暮らしを考えるときは、病気になった時のことも考えるのが大事です。
仕事を見つけるのが大変だった
こちらも移住者向けの紹介内容ではありますが、田舎の就職は都会にない種類が豊富にあることは魅力の一つです。ただし、職種に偏りがあり、職人としてや開業して働く人以外の就職は求人誌に記載があることは少なく、都会と同じように就職先を探すのは困難です。
手に職を持っていない上に、目的の職業がない人にとっては田舎での仕事探しは苦労するため「どういった仕事をしたいか」「そのためには何をしたらいいか」を考えて、下準備をする必要があります。
暇な時間にすることがなかった
都会と違い、フラッと遊びに行ける場所が少なく、暇なときにすることがないと思う人も多いです。
ショッピングセンターやカラオケなどの遊べる施設がない、または遠いので暇を持て余す時間が増える、といったことがおきてきます。インドア派や田舎で時間をつぶせる人は良いですが、都会で遊んできた人は慣れるまで苦痛を感じるでしょう。
田舎への移住に向いていない人
実際に、田舎への移住には、どんな特徴の人が向いていないのかを紹介します。
もし、内容が当てはまる項目があった場合は、特徴をふまえてよく考えることがおすすめです。
生活基盤がしっかりしていない人
移住してすぐに仕事が見つかるとも限らないうえ、今までと違う環境のため思いもしなかった生活面での出費がかさむこともあるのです。移住する前に生活基盤をしっかり確保しておかないと、想定外に対応ができずに失敗する可能性も出てきます。
何をするにも下準備は必要ということなのです。
人付き合いが苦手な人
地域の情報を教えてもらえたり、助けられたりと、今後、地域の人たちと関わる機会が多々出てきます。
ご近所付き合いは田舎に行くほど日常の何気ない事で、お付き合いを大事にしなければいけない地域がほとんどであり、人付き合いが苦手な人は精神的に疲れてしまいます。一歩、家の外に出ると「誰から声をかけられても大丈夫」という気持ちの準備は必要でしょう。
田舎暮らしの理想が高すぎる人
自分の中で「田舎暮らしってこんなものだろう」と良いイメージを先に固めてしまっていると、実際に生活を始めた時の理想と現実のギャップが埋められず、拒絶反応が出てしまうこともあります。
高い理想を持つのは悪いことではないですが、理想は求めすぎず、自身で作り上げていくものだと捉えると良いでしょう。
臨機応変な対応が出来ない人
都会暮らしが長い人だと田舎暮らしをする上で想像もしていなかった想定外の出来事をとても多く経験できます。
その度に最善の対応が求められますが、本人にとって納得のいく終着点を見つけられるように毎回、臨機応変な対応が必要です。常に改善していくバイタリティーを持ち続けていくために、ある程度の対応スキルが求められます。
田舎暮らしで失敗・後悔しないためのポイント
田舎暮らしで失敗しないために出来ることを書き出していくので、確認していきましょう。
事前調査をしっかり行う
地方自治体の移住者向け支援制度があります。事前に地域の情報をネットで検索したり、現地に行って確認したり、全てがわかるわけではありませんが、情報が何も無いより下準備が出来て現場対応の数を減らせるでしょう。
移住体験ツアーなどを提供している自治会や、移住を考えていることを現地で話すと、知りたい情報を聞けることもあります。
生活費の予算を立てる
今までの生活とはガラリと変わるので、今の時点でわかる生活費の予算を組み立ててみることをおすすめします。「都会と違って車を持つことになった」という今までになかった予算も必要になってくるでしょう。
地域柄でいうと雪国に行くと暖房費がかかり、南に行くと台風修繕費がかかるなど今までとは違う予算も出てきます。情報が入り次第、更新していくと現実味が出てくるでしょう。そして、経験値が増えるので自然と失敗する数が減り、同時に田舎暮らしをしたいというモチベーションも上がる流れが出来ます。
移住する具体的な目標を立てる
ここまでの工程が順調にいくと、具体的な目標も立てやすいです。移住者制度の確認や利用の申し出書類の提出、生活費の予算を明確に書き出し「移住期日をいつからにするのか」それとも「まずは二拠点生活から始めるのか」「仕事を先に探すのか」など細かく詰めて計画を立て、それに向かって何をしなければいけないのかを炙り出していきましょう。
地域の人と積極的にコミュニケーションをとる
地域の人しか知らない情報は、移住においてとても重要なため、地域の人とコミュニケーションをとることをおすすめします。ご近所話などの小さいことから地域の常識など、思ってもみなかったようなネット検索では出てこない話が聞けるのも地域の人の話だからではないでしょうか。
移住前から仲良くなっておくことで、移住後に助けてもらえることも多々あるため、田舎暮らしにおいて地域の人とのコミュニケーションは、必須項目です。
まとめ
田舎暮らしには予想していなかった出来事も多く、対応に追われて疲れてしまうこともあるでしょう。
しかし、地域の人たちの温かさや自然のめぐみに癒されて、一つひとつを乗り越えていければ、田舎暮らしは、困難以上のものが手に入る素敵な暮らし方です。
このコラムを参考にし、是非、田舎暮らしを楽しんでください。
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