2020年初頭から始まったコロナ禍により、一気にリモートワークが広がりました。実施してみると便利だったので、緊急事態宣言が解除されてもそのままリモートワークが主流となったという会社も多いことでしょう。会社に出勤をする必要がなければ、都心部に住まなくても大丈夫という方もいます。そこでこの記事では、地方に移住するメリットや注意点、人気の都市などを解説します。「都市部での生活に見切りを付け、地方で仕事を探したい」という方も必見です。



40代・50代で地方に移住しようとする理由  



はじめに、地方に移住する決心をした人はどのような理由が多いのかを紹介します。地方と都市部の生活では、何が違うのでしょうか?


通勤ラッシュのストレスから解放される  

都市部と地方の一番の違いは、通勤ラッシュの有無でしょう。東京・大阪・名古屋といった大都市は電車通勤が主流です。通勤時間帯の混雑は相当なもので、路線によっては身動きもままならないほど混みます。一方、地方は車通勤が主流です。場所によっては渋滞もありますが、身動きもままならないほどの通勤ラッシュよりずっとストレスは少なくなるでしょう。


老後は地方でのんびり生活したい  

リタイヤしたら田舎でのんびり好きなことをして暮らしたいと考える方は多いものです。しかし、定年を迎えてから移住したのでは、地域になれるまでに時間がかかるうえ、体力面でも不安が残ります。40代、50代のうちに移住すれば、地域に溶け込みやすく時間をかけて基盤を作ることができます。特に、地方でも県庁所在地ならば、東京や大阪の郊外のような感覚で住むことができるでしょう。


生活のコストを抑えたい  

東京や大阪のような都市部に比べて、地方は生活費がかからないというイメージがあります。それは、一面では正しく、一面では間違っています。都市部の方が圧倒的に安いのが、住居費です。駅前でも、都市部の半額程度の家賃で借りることが可能です。場所によっては、家が余っているため、住んでくれるならば家賃は数千円で良い、というところもあるでしょう。

また、自治体が移住者に空き家を安価で斡旋しているところもあります。駐車場も無料、もしくは格安でついてきます。物件によっては家庭菜園ができるほど広い庭がついてくるケースもあるでしょう。

また、家庭菜園が当たり前の地域では、ご近所から野菜をたくさんお裾分けしてもらえることもあります。その一方で、光熱費やガソリン代は地方の方が高くつくことも珍しくありません。特に、ガスがプロパンだとガス料金は跳ね上がります。また、地方は車での生活が多いため、一家に一台ではなく、一つの免許に一台車が必要です。車の購入費用や維持費は、都市部での交通費よりかかります。 このほか、食品も地域によっては都市部より高値です。地方だから、新鮮な野菜や旬の魚がタダで手に入るわけではありません。また、娯楽も少ないので休日は遠出しなければならず、生活費がかえって跳ね上がることもあります。


健康的な生活ができる  

地方は都市部に比べて空気が澄んでいて、健康的な生活ができるイメージもあるでしょう。確かに空気はきれいで、子どもがのびのびと遊んでいても苦情がくることは少ないです。ただし、地方は徒歩5分の場所でも車で行くという人が多く、かえって運動不足になるケースもあるので気を付ける必要があります。



長野県に移住する場合  



ここでは、東京からの移住希望者に人気の県、長野県の魅力や住み心地について紹介します。移住希望の方は、参考にしてみましょう。


長野県の良いところ  

長野県は日本のほぼ中央に位置する、全国で4番目に大きな面積を持つ県です。全国有数の避暑地である軽井沢町もあり、北アルプス・中央アルプス・南アルプスという3つの山脈に囲まれています。

自然が豊かな一方で、長野市・松本市といった主要都市では、バスや電車といった交通の便も発達しています。 特急あずさや北陸新幹線を利用すれば、2時間以内に東京に出ることも可能です。


長野県の気を付けるべきところ  

長野県は、南北に長く北信・中信・南信・東信と大きく4つに分かれています。北信や中信は雪が少ない割に寒さが厳しく、南信は都市部でも一冬に2m程度の積雪があります。そして東信は避暑地である軽井沢町があったりと、地区によってさまざまな特徴があります。

また、都市同士の距離が遠く、長野市と松本市は72kmも離れており、移動するのに時間がかかるでしょう。また、都市部はバスも電車も便数が多いですが、少し郊外になると主な移動手段が車しかなく、免許は必須です。

また、涼しいイメージがありますが、盆地の場合は、夏は日中35度以上になります。そのうえ冬の寒さも厳しく、最高気温が氷点下の日も珍しくありません。都市部で暮らしていた人が移住するならば、長野市、松本市の機密性の高いマンションがおすすめです。


長野県の求人の例  

長野県は、エプソンに代表される精密機器メーカーやキッセイ薬品、キノコ栽培のホクトなどさまざまなメーカーの工場や本社があります。そのため、製造・研究・物流などいろいろな求人があります。また、観光にも力を入れているので、ホテル・旅館・コテージなど、接客業の求人も途切れることはありません。働き方も正社員だけでなく派遣やアルバイトなど選択肢が豊富です。



北海道に移住する場合  



次にご紹介するのは北海道です。観光地として有名ですが、移住のしやすさはどうでしょうか?


北海道の良いところ  

北海道は、食べ物が美味しく自然が豊かです。また、県をあげて移住を歓迎しており、住居などの優遇措置があります。北海道はもともと本州からやってきた人々が開拓した場所です。そのため、ほかの地方都市より排他性が低く、移住者でも暮らしやすいでしょう。


北海道の気を付けるべきところ  

北海道は、日本一の広さを持つ県です。そのため、札幌や旭川といった都市部とその他の場所では住み心地に大きな差があります。また、函館と札幌、札幌と旭川といった都市部間も距離があり、1日で移動はできません。そのほか、夕張市など財政破綻した市もあり、公共のサービスがほとんど期待できないところもあります。住む場所を入念に下調べする必要があります。


北海道の求人の例  

北海道はさまざまな企業があり、製造・営業など求人の種類も豊富です。また、観光地でもあるので、ホテルや旅館といった接客業の需要もあります。このほか、酪農や農業の求人も豊富です。特定の季節だけ短気に働きたいといった求人もあり、さまざまな働き方ができるでしょう。



家族で移住をするメリット・デメリット  



ここでは、家族で移住をするメリット・デメリットを解説します。家族で移住する場合、気をつけるべきことはなんでしょうか?


家族で移住をするメリット  

家族で移住すれば、生活の拠点が一つになることで生活費のコストカットができます。また、子どもを自然の中でのんびりと育てたい場合は、家族で移住するメリットは大きいでしょう。子どもがすでに成人し、独立している場合は夫婦で移住する方法もあります。夫婦で移り住めば互いに支え合い、協力することもできるでしょう。


家族で移住をするデメリット  

地方に移住する場合、一番問題になるのは子どもの教育です。教育環境は、都市部の方が充実しています。たとえば、長野県の場合、大学は国立の大学だけでなく、私立の大学も数えるほどしかありません。そのため、多くの高校生が進学のために東京に上京します。子どもが私立中学にすでに通っている場合は、転校すると明らかに教育の水準が下がるでしょう。

また、家族全員がその地方が好きとは限りません。また、子どもも、友達と離れるのを嫌がる場合もあるでしょう。勝手に決めるのではなく、家族でよく話し合うことが重要です。どうしてもという場合は、週末だけ移住をするといった方法もあります。



地方へ移住して仕事をすることはどうなのか  

地方へ移住することは、メリットもあればデメリットもあります。都市部のように徒歩圏内にコンビニから病院まで揃っている、というところは希でしょう。

また、コミュニティがすでにできあがっている場所に移住者が溶け込むのは、なかなか大変です。しかし、現在過疎化に悩む地方都市は、移住者の誘致に積極的です。移住者だけのコミュニティを造って、新しい人を受け入れやすくしているところもあります。リモートワークの発達により、会社に毎日出社する必要がない場合は、少し離れた地方に引っ越しても良いでしょう。それだけでものんびりした気分を味わえます。 



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