​農業従事者は年々減少を続けており、政府が掲げている食料・農業・農村基本計画では柔軟に時代の変化へ対応し、制度やシステムを大胆に変革することで人材や資金を呼び込み新たな成長に繋げていくことを重要視しています。農業体験では農家や古民家に宿泊をする農泊という体制も整えている場所もあり、変革を担う取り組みの一環として期待されています。毎日の食事で農作物を食べていても、栽培方法や収穫についてはあまり知られていない現状です。子供も大人も楽しみながら学べる農業体験について解説します。



関東で可能な農業体験



農業体験は全国で行われていますが、関東でも多くの地域で収穫体験や就農体験を実施しています。農業体験について見ていきましょう。


野菜や果物の収穫体験をする

自分の手で野菜や果物を獲る収穫体験ではレジャーを楽しみながら食育について学べます。

普段食卓で並ぶ食べ物がどのように育っているのか、実践を通した学びによって作物に対しての理解が広がるでしょう。


田植えや稲刈りなどの就農体験をする

農業体験には1〜3日程度の短期のものが一般的ですが、農家のプロから直接指導を受けられることが大きな利点です。就農体験をすることで自分が農業が好きか、適しているかといった判断材料にもなるでしょう。


子供から大人まで農業体験ができる

家族向けに企画されているものが多く、子供も大人も楽しみながら農業体験ができます。本格的な農業体験としてではなくアクティビティとして参加されている人も多いため、気軽に参加可能です。


基本的に無料ではないが多くを学ぶことができる

農業体験は、1000円程度の場所もあれば5000円以上かかる所もあります。 実施される内容や収穫物などによって値段が違うこともあるため、金額だけで判断せず内容の確認をすることが重要です。



観光型・研修型の農業体験がある



農業体験は観光型と研修型に分かれます。違いを見ていきましょう。


観光型の農業体験

観光型の農業体験は幼児や小学生から参加可能なものが多く、野菜や果物の収穫体験といった楽しく行えるものが多いため家族連れでの参加にも適しています。土や農作物に触れることで非日常を感じながら農業の楽しさや収穫方法を学べます。普段食している野菜や果物がどのように作られているか、子供にとっては新発見の連続へと繋がるでしょう。特に、初めて農業に触れる人にはおすすめです。


研修型の農業体験

自治体やJAなどが行っている研修型の農業体験では基本知識だけでなく、実際に作物を育てているベテランの農家さんから栽培の技術や経営のために必要な実践研修などを教わる機会があります。

研修終了後には就農場所を紹介してくれる自治体やJAもあるので、農業を学びたい人だけでなく、将来的に生計を立てていきたい目標がある人に向いています。



農業体験で何が学べるか



農業体験を通して学べることは何があるのか見ていきましょう。


農業についての基礎知識を学べる

農業体験では、農作物の栽培方法や収穫時期などの基礎知識を教えてもらえます。分からないことがあれば農家さんに質問すればすぐに答えがもらえるため、体験を通した正しい学びができます。自宅で家庭菜園を行うにも役立つでしょう。


自然の豊かさを知ることができる

実際に自分の手で土や農作物に触れることで自然の豊かさを知ることができます。住んでいる地域によっては自然が少ない環境の場合もありますが、農業体験を通じて自然との共存や繋がりを感じられるでしょう。農業についての様々な話を聞きながら自然に触れることで、今まで見えてこなかった豊かさの側面にも気づけるでしょう。


農業体験を通し食育へと繋がる

普段何気なく食べている食事がどのように作られているか、農業体験を通し学べます。子供だけではなく、大人でも知らないことが多い農業を経験することによって食べ物を大切にする想いや地域で作られている特産品などについても知る機会となるでしょう。

農業については本やネットの情報で知識は得られますが、実際に体験することで多くの学びが生まれ食育にも繋がります。



農泊を利用し農業体験を行う



農泊を利用することで体験できる質はさらに高まります。


農泊とは何か

農泊とは農山漁村地域で農業体験を含めた地域体験や食事などを楽しむことを目的に農家や古民家などへ泊まることで、農家さんたちのありのままの生活に触れられることも大きな魅力の一つです。

宿泊をしながら滞在してもらうことで多くの地域の資源に触れる機会は増え、地域の活性化にも役立ちます。農泊提供者だけではなく地域の関係者が一体となって取り組むことが重要だと言われており、宿泊者に様々なサービスを提供できるよう検討されています。

農家や古民家などに宿泊して日本の伝統的な生活体験をするというものであり、近年、農林水産省が積極的に支援している農山漁村滞在型旅行を指しています。旅行者が農業や漁業などを体験しながら古民家や農家・ 漁家に宿泊し、それぞれの土地に根付いた魅力を発見・体感する新しい旅のスタイルです。


農泊の推進と取り組み事例の紹介

近年では農林水産省も積極的に推進しており、令和3年度予算額として9億8050万円の支援を行うことを決めています。

魅力的な観光コンテンツの強化や必要な人材の確保、外国人誘致(インバウンド)に向けた受け入れ体制などを整えるために支援を行います。


参考:農林水産省 農泊の推進について


農泊ポータルサイトの紹介

農泊ポータルサイトは宿泊のできる農家や古民家、飲食施設、農業体験が可能な場所などの情報を閲覧できるサービスです。

nohaku.netでは全国の農泊地域が網羅されており、地域の特徴やアクセス手段、公式Webサイトなどを簡易に調べられます。


参考:全国の農山漁村の体験・宿泊がさがせる、農泊ポータルサイト



関東で農業体験ができる場所



次は関東で農業体験のできる場所の一部を見ていきましょう。


埼玉県

埼玉県で農業体験ができる場所を紹介します。


ファーム・インさぎ山

ファーム・インさぎ山は1997年を立ち上げられ、農業体験や農泊体験などの受け入れを行っています。無農薬無化学肥料の野菜を育てていたり、かまどで炊いたご飯を食べられたり、昔ながらの生活を感じられる農業体験ができるでしょう。


参考:ファーム・インさぎ山


美園ファーマーズ倶楽部

美園ファーマーズ倶楽部では土いじりから始まる農業体験を売りにしており、種まきから畝作り、苗植えや収穫などを経験できます。季節毎に農業体験の内容が変わるため、訪れる度に新たな発見や感動があるでしょう。


参考:美園ファーマーズ倶楽部


神奈川県

神奈川県で農業体験ができる場所を紹介します。


Blueberry HILLS あつぎ

Blueberry HILLS あつぎではブルーベリーの摘み取り体験を行なっています。時間内に無制限で食べ比べでき、ベビーカーや車椅子での入園も可能です。


参考:Blueberry HILLS あつぎ


​秦野いとう農園

秦野いとう農園では野菜の収穫体験やブルーベリーの摘み取り体験などを行なっています。お土産付きの収穫体験ができることが嬉しいポイントです。


参考:秦野いとう農園



収穫されたばかりの野菜を扱っているおすすめサイト



時間がなくて農業体験、収穫体験に行く機会がない人におすすめな宅配サイトを紹介します。


無農薬野菜のミレー

ミレーは注文が入った後に野菜を収穫するシステムで、鮮度の良い状態の野菜を出荷してくれることが特徴です。基本的に無農薬か、化学農薬や化学肥料を使用していない減農薬の作物を扱っており、収穫から配達まではおよそ1日〜2日で届きます。


参考:無農薬野菜のミレー


坂ノ途中

農薬や化学肥料を使わずに育てられた旬の野菜をセットにして届けてくれます。スーパーでよく見かける定番のものから珍しいものなど野菜の種類が豊富です。

野菜のサイズはS・M・Lから選べ、家族の人数や料理を行う頻度に合わせた選択が可能です。おすすめの食べ方などが記載された野菜の説明書が添えられており、Webサイトでは野菜を使ったレシピが公開されているため誰でも楽しく料理できます。


参考:坂の途中


ビオ・マルシェの宅配

ビオ・マルシェでは安心で美味しいオーガニックを、求める全ての人に提供することを大切にしています。有機農産物や有機加工食品など、1500点以上の商品を取扱っており、オーガニックな暮らしをしたい方におすすめです。


参考:ビオ・マルシェの宅配



まとめ

​農業体験は子供から大人まで楽しく学ぶことのできる環境が整っています。観光型と研修型のものがあるため、農業の未経験者や初心者であれば観光型の農業体験から始めると良いでしょう。季節や農地によって内容が全く違うため、目的を決めて農業体験を行う場所を探すこともおすすめです。自分の興味のある野菜や果物から農業に関心を持つことによって、学びの機会も増え素晴らしい体験ができます。農業体験は関東でも盛んに行われており、自分に合った場所が見つかるはずです。



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