皆さん、「観光」と聞いてどのようなものを思い浮かべますか?多くの人が持つ観光のイメージは、ホテルや旅館に泊まって有名な観光地をいくつも訪れる、といったものではないでしょうか。しかし近年、「滞在型観光」と呼ばれる従来型の観光とは異なった観光の形が注目されています。この記事では、観光庁でも推進されている滞在型観光について、そのメリットやデメリット、おすすめの場所などを紹介していきます。
滞在型の観光とは
滞在型観光とは、1つの場所に滞在し、その地域ならではの体験や娯楽を楽しみながら過ごす観光のことです。様々な観光地を短期間で訪れるタイプの周遊型観光や通過型観光どとは異なり、1つの地域をより深く知ることができます。
周遊型観光や通過型観光には、多くの観光地を巡ることができる点でメリットがありますが、観光をする側は移動が重なって体が休まらなかったり、観光地側は地域そのものの魅力を伝えにくかったり、などといったデメリットもあるでしょう。それらの課題をカバーする観光の形態として、滞在型観光が注目されているのです。
滞在型観光のメリット・デメリット
それでは、滞在型観光のメリットとデメリットについて見ていきましょう。
滞在型観光のメリット
滞在型観光には様々なメリットがありますが、ここでは主に以下の3つのメリットを紹介します。
地域の活性化につながる
1つ目のメリットは、地域の活性化につながるということです。滞在型観光では1か所に一定期間滞在するため、滞在先の地域経済に寄与することができます。
また、そこで様々な体験をしたり人々と交流したりすることで、周遊型観光では気づかない地域の魅力に気づくこともできるでしょう。様々な体験を通してその地域を楽しむことで、その地に再び訪れようと思うこともあるかもしれません。深く地域に親しむことで、その場限りではないつながりが生まれ、地域を活性化することができるのです。
旅行の満足度が高い
2つ目のメリットは、旅行の満足度が高いということです。従来の観光のタイプ、周遊型観光や通過型観光では、様々な観光地を訪れることができるものの、その地域をゆっくり楽しむことができないというデメリットがありました。
一方、通過型観光では時間をかけてその観光地を楽しむことができるので、思う存分その地域の魅力に親しむことが可能です。その結果、多くの観光地を訪れなくとも、満足度の高い観光をすることができると言えます。
様々な経験ができる
3つ目のメリットは、様々な経験ができるということです。滞在型観光では、その地域でしかできない体験を沢山することができます。観光客向けの体験プログラムに参加するのももちろん良いですが、その地域での生活そのものが普段とは異なる経験に溢れているはずです。
その地域ならではの食事や、長い時間滞在するからこそ感じることができる文化や自然もあるでしょう。観光地を単に訪れるだけでは得ることのできない体験ができるのが、滞在型観光の魅力です。
滞在型観光のデメリット
近年人気を集めている滞在型観光ですが、その推進にあたってはいくつかの課題があります。ここでは滞在型観光のデメリットとして、以下の3つを紹介します。
多くの観光地を回れない
1つめのデメリットは、多くの観光地を回ることができないという点です。滞在型観光では1か所の地域にとどまり、そこからほとんど移動はしません。そもそも滞在型観光の目的は観光地を巡ることではなく、その地域の生活や文化を体験し、深い交流をすることにあるからです。
従って、大きな移動を伴う観光地巡りはできないというデメリットがあります。
しっかりとした計画を要する
2つ目のデメリットは、しっかりとした計画が必要だということです。周遊型観光では、有名な観光地に行ってしまえば、しっかりとした計画がなくても観光地を巡ることである程度楽しむことができます。
しかし、滞在型観光では滞在先の宿泊施設はもちろん、滞在先で何を行うかを事前に決めておかないと、思うように観光を楽しむことができません。自分が滞在型観光を行う目的と理由を考え、それに沿った計画を立てるようにしましょう。
滞在費用がかかる
3つ目のデメリットは、滞在費用がかかるということです。滞在型観光では、様々な体験ができることがメリットの1つに挙げられますが、体験プログラムなどの費用は通常のレジャーと比べて高めの料金設定であることが多くあります。その他にも、一定期間旅館やホテルに滞在する場合はその宿泊費用もかさむことがあるでしょう。
滞在型の観光をする方法
ここでは、滞在型観光を実際に行う方法を説明します。
行き先を決める
初めにすべきことは、行き先を決めることです。自分が滞在型観光をするにあたってしたいことができる場所を選んだり、単に友達や知り合いがいるから、行ってみたいから、などという理由で選んだりするのも良いでしょう。
現地で行うレジャーや体験プログラムを調べる
行き先が決まったら、現地で行うレジャーや体験プログラムを調べましょう。滞在型観光を最大限楽しむためには計画づくりが不可欠ですので、自分がやりたいこと、興味のあることができるプログラムや施設、場所を調べることが必要です。
滞在地を決める
次に行うことは、滞在地を決めることです。行うレジャーや体験をするにあたって不便でない場所を選ぶと良いでしょう。ホテルや旅館に滞在するのも良いですが、費用を抑えたいのであれば民泊という方法もあります。
費用を計算する
滞在地が決まったら、観光にかかる費用を計算しましょう。交通費や滞在費、体験やレジャーにかかる費用を計算し、予算を立てることが大切です。
実際に観光に行く
ここまで計画を立てることができたら、後は実際に観光に行くだけです。計画をもとに、思いっきり楽しみましょう。
滞在型の観光をする際に心掛けるべきこと
ここでは、滞在型の観光をする際に心掛けるべきことを紹介します。以下のことを心掛ければ、より満足度の高い観光をすることができるでしょう。
事前のリサーチをしっかりと行う
1つめは、事前のリサーチをしっかりと行うということです。現地で行う体験やレジャーについての下調べを行うことはもちろんですが、滞在地の周辺環境や口コミなども調べておくことをおすすめします。事前にしっかりと下調べを行うことで、準備も効率良く進み、いざ行ってみたら想像と違った、などということを防ぐことができるでしょう。
地域の人と積極的にコミュニケーションを取る
2つ目は、地域の人と積極的にコミュニケーションを取る、ということです。滞在型観光のメリットの1つとして地域の人と交流ができるという点があります。地域の人との交流で得ることができるものも沢山あるので、積極的に関わるようにしましょう。
何でもチャレンジしてみる
3つ目は、何でもチャレンジしてみるということです。せっかく普段とは違う場所で過ごすのなら、多くのことにチャレンジするようにしましょう。普段ならやらないようなことでも、進んで挑戦することでより多くの体験をすることができます。
滞在型の観光におすすめの場所
ここでは、滞在型の観光におすすめの場所を紹介します。
温泉地
1つ目に紹介する場所は温泉地です。なぜなら、温泉地に滞在することで体を癒すことができるからです。温泉地の周りには観光地があることも多いのでそこに行くのも良いですし、ゆっくりと宿泊施設に滞在するのも良いでしょう。体験やレジャーを積極的に楽しむよりも、体を休めたい人におすすめの場所です。
農村地域
2番目に紹介する場所は、滞在型観光の行き先として注目が集まっている農村地域です。農業体験など、都会ではできない経験ができるという点や、自然が豊かな場所でリラックスできるという点がメリットと言えるでしょう。地域の人とのコミュニケーションも取りやすいので、体験を通してその地域と関わりたい人にはおすすめの場所です。
都市部
3番目におすすめするのは都市部です。都市部というと、滞在型の観光にイメージがあまり湧かないかもしれませんが、滞在型と周遊型のメリットを組み合わせた観光ができる場所としておすすめです。都市部は交通のインフラが整っており、観光地やレジャー施設も狭い地域に集中していることが多いので、1か所での滞在でも様々な観光地を回ることができます。滞在型でも様々な観光地を巡りたい人におすすめの場所です。
まとめ
滞在型の観光について紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。多くの体験をしながら地域の活性化にも貢献することができる滞在型の観光は、観光する側にも観光客を受け入れる側にも多くのメリットがあります。しっかりと計画を立てて、自分の目的に合った滞在先を選べば、今までとは違った充実感のある観光をすることができるでしょう。
この記事を参考に、是非滞在型の観光を楽しんでみてください。
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