「我々は、元気を送り続ける立場でいなければならないと思って生きています」


そう語るのは、新潟県新潟市に拠点を置くプロレス団体『新潟プロレス』のレスラー兼代表、シマ重野さんです。日本国内の各地域で活動するローカルプロレス団体の一つであり、2011年10月の団体旗揚げから今年で11年目を迎えています。


団体が掲げる『新潟に夢と元気をつみあげよう』というコンセプトの通り、プロレスを通じて新潟県民を楽しませてきました。大会場や各種イベントなどでのリング上はもちろん、ローカルプロレスならでは(?)のシチュエーションでファイトを繰り広げ、新潟の人々に喜怒哀楽を伝えてきています。


今回は、その新潟プロレスを率いるシマ重野さんに、団体の魅力やプロレスへの想いを伺いました。



新潟プロレス・シマ重野代表



「お客さまからの声援が原動力です」

「たとえば大手の団体さんでは、水原(白鳥が飛来する瓢湖で知られた旧水原町、現阿賀野市)の野外のお祭りでレスラーがみられるなんてことはないですよね。そういう地域のお祭りに呼んでいただくことが大好きなんです。我々は場所を選ばないですし『こんなところでもプロレスをしてもらえますか?』というお誘いでも、『リングさえ立てられればどこでも行きます!』って感じで(笑)」


新潟市内の体育館やホールなどで行われる自主興行の他、お祭りやイベント会場など、さまざまな場所に出向き、プロレスファイトを提供することをモットーとしている新潟プロレス。鍛え上げた体をぶつけ合う激しい攻防をはじめ、お客さんも交えた楽しいやり取りなども県内各地で繰り広げてきました。


その中の一つとして大きな反響を呼んできたのが、『列車内プロレス』。2017年から5年間、毎年行われてきたこのイベントは、移動中の列車の中において、座席と座席の間のスペースで大柄なレスラーたちがバトルロイヤルで戦うという壮絶な企画。レスラーたちは動きの制限がある中で、キックやエルボーなどの打撃技や、限られた幅の床での固め技などが、乗客の目の前で繰り広げられます。まさに、プロレスラーとしての『技術』が堪能できるイベントです。


「おかげさまで色々な経験をさせてもらっています(笑)

そういったイベントや、地域のお祭りなどでは、小さなお子さんやお年寄りなど、初めてプロレスに接する人が殆どですよね。そこでの率直な『ありがとう』『元気を貰えたよ』という感想や、感謝の気持ちを表現されたときが一番の喜びであり、我々の原動力となっているんです」



列車内プロレスの激しいファイト



「やっぱりプロレス観戦の魅力は『生』!!」

現役のプロレスラーとして、さらに団体の代表として、さまざまな活動を行っている重野さん。小さい頃から熱狂的なプロレス少年でした。その夢を実現させるべく20代の頃にメキシコに渡り修行を積み、プロデビューを果たします。そして2011年、地元新潟で現在の新潟プロレスの設立に至りました。


「プロレスは小さい頃からテレビで観ていました。アントニオ猪木や初代タイガーマスクに憧れていて、小学生の時にはプロレスラーになるという将来の夢を持つようになったんです。」

1980年代のテレビプロレスが全盛だった時代、画面の向こうで躍動する屈強なプロレスラーが、幼少の頃の重野さんの心を大きく揺らしました。しかしその後、更なる衝撃に出会ったと言います。


「父親に連れて行ってもらったプロレス会場で、初めて生のプロレスを観戦したんです。あの迫力、会場の雰囲気など、テレビとは全く違うものだったんですね。選手の大きさ、腕の太さ、胸板の厚さ、選手同士がぶつかる音などを目の当たりにし『プロレスってスゲエな』と、感動して帰ったのは今でも鮮明に覚えています。今ではいろいろなコンテンツで観戦が可能ですが、やっぱり『生』なんですよ、プロレスは!!」


目の前で味わうプロレスラーの凄み、空間の華やかさなど、生のプロレスのインパクト。その魅力を、地方に住んでいる人にも伝えることが出来る。そして、それこそがローカルプロレスの果たすべき目的だと重野さんは力強く語ります。



イベントでの一コマ



「高いレベルのプロレスにこだわる団体でありたい」

日本各地を盛り上げる役割を掲げているローカルプロレス。その上で、自身が率いる新潟プロレスには、もう一つの特別な拘りがあります。


「新潟という地域に根差して活動する我々の最大の目的は、プロレスで新潟県内を盛り上げる存在であり続けることです。それとともに、プロレス団体として選手層の拡大やレスラーの育成を行う役割もあると考えています」

新潟プロレスはトレーニングや技術を学ぶことが出来る会員制のスクールや、入門テストも実施しています。プロレスを『観る』だけでなく、レスラーを『志す』者に対しても入口となる団体を目指しています。


「新潟県は地方ではあるのですが、ジャイアント馬場さんの出身地でもあり、『プロレス熱』が高い地域だと考えていて、新潟プロレスを旗揚げしてから、根強いファンの方々に支えて頂いていると実感しています。その一方で、プロレスラーとして名乗りを上げてくれる人が意外と少ないなとも感じてきました。もしプロレスラーへの憧れを抱いているのであれば、勇気をもって飛び込んできてもらえたらと思います」


新潟プロレスの興行には首都圏の団体から高い知名度を誇るレスラーが毎回のように参戦します。老舗団体所属のビッグネーム選手と、試合を通じて技術面でのレベルアップを図り、さらにプロレス専門誌には新潟プロレス興行日程や試合結果が常時掲載されるなど、他のローカルプロレス団体とは異なるスタンスをとっています。

「日本に数多くのローカル団体がありますが、その中でも新潟プロレスは首都圏の団体ともきちんと試合ができるレベルまで鍛え、いずれは大手団体のベルトにも挑戦できるようなレスラーを、新潟を拠点としながら育成していきたいです」


今年に入って行われた入門テストでは、団体スクール生3名が合格し、ここからレスラーデビューへの本格的な修行・トレーニングがはじまります。県内出身・在住のプロレスラー育成・輩出することでの裾野を広げるという役割も新潟プロレスが担っています。



練習中の道場の様子



「こういう時だからこそ、我々プロレスラーの出番だと思ってます」

昨年の11月に開催された、旗揚げ10周年記念大会。新潟プロレス以外からも、多くのレスラーが集結し、『レジェンド』として知られる藤波辰爾も出場し、大会に花を添え会場を大いに沸かせました。


新潟にプロレスを根付かせるべく、10年間を駆け抜けてきた重野さん。記念大会を開催できたことで、歩んできたこれまでに確かな手ごたえを感じたと言います。

「旗揚げから紆余曲折あった中でも、支えて下さった多くの方々のおかげで10年間継続できたことの重みは、10周年大会を通じて強く感じました。コロナ禍での開催となりましたが、600人ものお客様に集まっていただきました。内容も含めて成功と言って良い大会だったと思っています」


一昨年から続く新型コロナウイルスの猛威は、今もなお新潟プロレスの活動にも大きな影響を及ぼしています。世界的流行となった2020年や昨年には多くの興行の中止を余儀なくされました。今年に入っても、県内にまん延防止等重点措置が適用されたことで開催予定だった大会の中止が続くなど、苦しい状況は変わっていません。その中でも前を向いて活動できるモチベーションとして、様々な想いが支えとなってきました。


「世の中がこういう時だからこそ我々の出番なのかと思っています。日本のプロレスの原点を辿れば、戦後、力道山先生がプロレスで国民に活気を与えたことで、復興に大きく貢献してきたという歴史があります。同じ様に、新潟県民の皆さんに我々のプロレスをみてもらうことで元気や勇気、活力を伝えていくということを体現していかなければならないと感じています」



試合中、キックを放つ重野さん



「新潟県民のみなさまから必要とされる団体を目指して」

強さ、優しさ、そして弱みをみせない『いつ何時、誰とでも戦う』というプロレスラーとしての姿勢を強調する重野さん。もちろん、10年間団体を維持できたのは周囲の人々の後押しが無ければ成し遂げられませんでした。

「世の中の人々は、コロナ禍の現在はもちろん、常に何らかの不自由をして、何らかのストレスを抱えながら生活をしている方が殆どではないでしょうか。それでも、どんな時でも会場に来て声援を贈って下さるお客さまや、ご協力を頂いているスポンサー企業の皆さまのおかげでここまで来ることが出来ました。応援・ご支援に対する感謝、恩返しの想いは常に持っています」


新潟の地で、喜怒哀楽を楽しむことが出来るエンターテイメントであるプロレスを感じてもらいたい。重野さんが抱くその想いは膨らみ続けています。


最後に、団体の今後の夢を語ってもらいました。

「若者や子供たちが夢を持って飛び込んできてくれるような団体にしていくことや、地元新潟に愛されて、根付いていくことなどをさらに目指していきます。新潟の娯楽の一つとして、もっともっと必要とされる団体となれるように我々が元気な姿をみせなければならない、そういう使命感を持ち続けて頑張っていきます」


今、新潟プロレスが、アツい!!





■ 新潟プロレス


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