「クラフトコーラとコロッケ。この2つでオノリシャスの名前を広げていきたいですね」


そう語るのは、2022年6月から、北海道赤平市を拠点にキッチンカーをスタートさせた「オノリシャス」の小野祐輔さんです。クラフトコーラとコロッケをメインに移動販売をしており、全道のイベントをめぐっている小野さん。クラフトコーラとコロッケという、意外な組み合わせにこだわる理由を伺いました。



北海道らしさを出せるクラフトコーラを


オノリシャスのクラフトコーラは「シーベリー(シーバックソーン)」「ビート」など、できるかぎり北海道で作られた素材を使用しているのが特徴。普通のコーラにはないスパイス独特の香りや、よりダイレクトに果実の甘みを楽しむことができます。北海道産の素材を選んだ理由は、自然豊かな北海道には様々な可能性を秘めている食材があると感じたからだそうです。


「元々コカ・コーラが大好きで、よく飲んでいたのでクラフトコーラにも興味をもちました。クラフトコーラ自体がここ5年くらいでできた飲み物なんですけど、毎日のように新たに開発している会社が増えています。なので、差別化するなら北海道ならではのものにしようと考えました」


特に北海道は広く、まだ知られていないだけでおいしい食材が沢山眠っているため、いろいろな食材をクラフトコーラとコロッケに生かしていけると確信したといいます。


また、元々、高級レストランでシェフをしていた小野さんだからこそ、直接料理を食べてもらえて、お客さんがいる場所に赴ける、キッチンカーならではの強みに着目。見たことのないコロッケとクラフトコーラを1人でも多くの人に知ってもらえるように、キッチンカーという形態を選びました。


オノリシャス自慢のクラフトコーラ。右からハスカップの赤コーラ、デコポンとミカンを使った柑橘コーラ、和ハッカを使ったスッキリコーラ



学生時代、料理人を志し、フレンチのシェフへ


オノリシャスのコロッケ。東京 中屋パン粉工場のパン粉、北海道産の米油を使った揚げ油を使うなど、細かなところまでこだわった、素材のおいしさを味わえる一品


そんなクラフトコーラに情熱を燃やす、小野さん。学生時代は「生活ビジネス科」という、家庭科と商業の授業が受けられる学科に進学。調理実習を重ねる中で料理に楽しさを見出し、料理人という職業に魅了されていきます。


「高校時代、実際にホテルでシェフをしている方に、1日手伝わせてくださいとお願いして、調理の様子を間近で見たんですけど、卵が綺麗なオムレツに仕上がっていくのを見て、カッコいいなって思ったんです」


それがきっかけで、調理の専門学校へ進学し、札幌の飲食店でアルバイトを開始。その飲食店に在籍していた凄腕のシェフの元につき、2年間修行をします。他のシェフを見れば見るほど、ついているシェフの技術力が高いことに気づいた小野さんは「この技術を理解するためには、その人が育った源流をたどればいいはずだ」と思い立ち、そのシェフが修行したという東京のレストランの校外実習へ赴くことに。そして小野さんは、そのレストランで今までに経験したことのない料理の技術に圧倒されたといいます。


「もう本当に凄すぎました。今まで会った人よりも、はるかに上のレベルな人が出てきて、卒業したらここに行くしかないと思いましたね」


その後、専門学校の卒業と同時に、上京。校外実習で赴いた東京のレストランで、フレンチのシェフとして修行を始めます。憧れのシェフのもとでキャリアを積み上げ、計8年間料理人としての腕を磨いてきました。


しかし、コロナ禍で飲食店の営業自粛が始まると、次第に小野さんの心境が変化していきます。


「やっぱり料理人として自分のお店を開きたいし、自分の料理を食べてほしいって思うようになったんです。雇われだと、店の味を作らなくてはいけないので。コロナ禍になって休みも増えてしまったし、ちょうど彼女も北海道へ帰るタイミングだったので今かなと思いました」


こうして、2021年の8月に北海道へ帰郷。パートナーの祖父母がやっている農家があることから、赤平市に移住しキッチンカーをスタートさせることになりました。



コロッケは、簡単なものだからこそ奥が深い


小野さんがクラフトコーラと同じくらい情熱を燃やしているのが、コロッケです。


「諸説ありますが、コロッケはフランス料理がルーツとされており、フレンチのシェフとして、スーパーに売っているコロッケのイメージを変えられるような、おいしいコロッケを作りたいと考えました」


そう思う理由は、幼少期の家族とのやり取りを思い返したときに、感じた1つの疑問でした。


「子供のころ、晩御飯でコロッケだよといわれるより、から揚げだよって言われるほうが嬉しかったと思いますし、今日はどうしてもトンカツが食べたい!というポジションにコロッケっていないなって思ったんです。なのでオノリシャスのコロッケを食べて、今夜は絶対オノリシャスのコロッケがいい!という所まで、コロッケのポジションを引き上げたいんです」


パートナーの祖父母が農家をしていることで、その季節で一番おいしい旬の野菜が手に入り、その素材を軸にしたコロッケを作るため、オノリシャスには固定メニューのコロッケがありません。そのため、イベントに合わせて、コロッケの味を変えることも自由自在で、今まで様々な種類のコロッケを作ってきました。


「この前のイベントはコロッケだけで11種類用意して、980個のコロッケを作りました。その時で一番おいしいコロッケを出している自負があります。最近だと、赤平のキジの卵を使ってスコッチエッグも作っていました。普通の卵と違って小さくて、1個食べても重くならないんです」


保存するときは冷凍をせず、揚げるときの油までこだわるなど、今までにない、おいしいコロッケを日夜研究しています。



クラフトコーラはコロッケと合わせてオノリシャスの味が完成する


また、現在のオノリシャスではクラフトコーラがメディアで取り上げられているため、商品の知名度に差がありますが、コロッケも一緒に食べてほしいという想いがあります。


「クラフトコーラとコロッケを一緒に食べて、初めてオノリシャスの味が完成するように作っています。どうしても今はクラフトコーラの知名度が先行してしまっているので仕方ありませんが、一緒に食べてほしいです」と熱弁します。


これからも、いろいろな所を旅しながら、いろいろな素材と出会って、北海道のお世話になっている農家さんのおいしい素材を集めた、最高の地産地消ができるレストランを作りたいと意気込む小野さん。


そんな小野さんの、北海道を巻き込んだ挑戦はまだ始まったばかりです。




■ オノリシャス


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