20代の頃から思い描いていた「自分のお店」を始めるまで

粉音さんは2016年に東京都の三鷹でオープンし、2021年の春に千葉県のいすみ市に移店されました。可愛らしい小物や木目を基調としたあたたかな雰囲気のお店です。


「パン作りを始めたのは子育てが一段落した頃からでした。自分の為に使える時間を持てるようになったのでパン教室に通ってみようと思ったのがきっかけです。」


もともとパンが好きで、その中でもベーグルは食べるのも作るのも特に好きだったという幕田さん。3〜4年間はパン屋さんに勤めながら自宅でも趣味でパン作りをし、パンづくしの生活を送っていたといいます。

「無心で捏ねたり、形を作ったり、発酵して膨らんでいく様子が可愛くて…最後には香ばしく良い香りがして、そして食べられるというのがもう最高でした。どんどんハマっていきましたね。」



幕田さんは、20代の頃から「子育てが落ち着いたらカフェや小さなお店を持ちたい」と旦那さんに話していました。

「子育てが一段落して、そろそろ自分の人生も好きなことをやれたらなと思い、お店を始めることを夫に相談しました。一年ほど説得をしOKを出してもらいました」


そんな幕田さんは「日々の暮らしの中に馴染むようなベーグルを作りたい」「地域の方に親しまれるお店にしたい」といった思いでお店作りをされています。「あなたのベーグルは作り手の気持ちが伝わってくるパンだね」とお客様から言ってもらえたことがあり、そういうパンを作り続けたいと語ってくれました。


お客様とのコミュニケーションを大切にされる幕田さんは、お店が三鷹にあった頃のお客様と現在でも交流があり、SNSでのメッセージやお手紙のやりとりをされています。



試作を重ねて辿り着いたもちもち食感のベーグル


粉音さんのベーグルの特徴はなんといってもモチっとした食感です。お店によって個性が出るベーグル。幕田さんはお店を始める前に色々なお店への食べ歩きをしたり、様々な材料や製法などを繰り返し試して、自分の求めるベーグルに近づけていったそうです。

「本場アメリカのニューヨークベーグルは水分が少なく、私的には食べにくかったので、日本人の好むようなもちもち食感のベーグルに近づけたいと思っていました。それには国産小麦はやっぱり欠かせないですね。」


実際に試食をさせていただくと、その食感に驚きました。これまで食べてきたベーグルよりももちもち感が強く、こだわっている小麦の風味もしっかりと感じられました。



粉音さんは、季節ごとにメニューが変わるのも魅力の一つです。「この組み合わせはベーグルに使えるかも」と、イタリアン、和食、スイーツなどから日々ヒントを得て、新メニュー作りに励んでいるそうです。

美味しく食べていただきたいという思いから食べ方やレシピを載せた手書きのリーフレットもお店に用意されていました!



等身大の自分のまま。仕事と暮らしをどちらも大切にできるいすみ市への移住


「夫が定年を迎えたら三鷹の家を出ることが決まっていたんです。次はどこに住もうってなった時に、海と山があってちょっと温暖なところが良いというのが希望にありました。房総へは時々ドライブに来ていました。いすみ市を訪れるとすごく空が広くて気持ちの良い場所だったので、ここに暮らしてお店を出すという将来が見えてきました。目の前の天神社もすごく清々としていて気に入ってます。」


移住する前、いすみ市には何のゆかりもなかったという幕田さん。移住に関しては少し不安がありましたが、実際には大変なことはなかったと言います。

「環境は間違いなくいいなと思っていたのですが、今後自分たちが歳をとって生活するうえで、病院や買い物、交通手段がどうかなど、不安がありました。お試し居住で何日か生活してみて大丈夫そうだとわかり、移住を決意しました。」



幕田さんが移住されたのは、三鷹でお店をオープンしてから4年半が経ったタイミングでした。当時を振り返ると、自分一人でできる限界を超えた働き方をしていて気持ちに余裕がなくなり、身体も悲鳴をあげていたそうです。移住した現在でも忙しく働いている幕田さんですが、自然や周囲の温かい人々に癒されて豊かに暮らしていると言います。


「三鷹でお店をやっていた時もすごくお客様に恵まれていましたが、いすみでも温かく応援してくださるお客様が多くて、幸せだなと感じています。生活面では、美しい海、のどかな里山、広い空が見えて安らぎを感じます。東京ではなかなかゆっくり空を見上げることはなかったんですけど、こちらでは月も星もすごく綺麗に見えるので、そういう時間がもてるのがすごくいいなって思います。いすみ市は、地域の皆様も温かく、移住した多くの先輩もいらっしゃいますので、移住を検討してはいかがでしょうか。」



「これからも地域のお客様に親しまれるお店作りをしていきます!」  

いすみ市に移住してきてからは、三鷹の時よりも少しゆっくりとベーグルを作りたいという思いがあったという幕田さん。いすみ市にはベーグル屋さんがなく、当初はお客様に来ていただけるか不安もあったそうです。しかし、不安とは裏腹に多くのお客様に来ていただきました。営業日は三鷹の時より減らしていますが、ベーグルの販売個数はいすみ市に移ってきてからの方が多いそうで、大盛況ぶりが伺えます。


「今後は、庭にテラスを作ってゆっくりしていただけるスペースにしたいと思っています。また、いすみ市には面白いことをしている方が多くいらっしゃるので、今後はそういう方達と一緒に、地域に根ざしたことをやってみたいですね。」

「今後も応援してくださる方への感謝を忘れずにベーグルを通して小さな幸せをたくさんの方にお届けしていきたいです。」と最後に優しい笑顔で語ってくださいました。



■ Bagel 粉音(コノン)


住所

〒299-4616

千葉県いすみ市岬町長者37-3




電話番号

0470-64-4802


営業時間

11:00-18:00


営業日

木曜・金曜・土曜の3日間営業です。


Facebook

@bagelconon


Instagram

@bagelconon



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