別荘にはメリットが多く存在しますが、運用に失敗し手放してしまうケースも数多く存在するため、購入を家族に相談した途端に大きな反対を受けることも考えられます。別荘暮らしを成功させるためには事前に注意すべき点や失敗事例を知ることが大切です。
この記事内では別荘暮らしの現実やメリット・デメリット、注意すべき点などについて解説します。条件によっては不動産税の軽減措置も受けられ、収益化させることも可能ですので、事前に情報を知ることで有益な運用ができることでしょう。
失敗も多い?別荘暮らしの現実とは?
別荘地へ移住することは多くの人にとって憧れの一つではありますが、失敗例も多いと聞きます。
別荘は買うなという意見もある
別荘は買うなと言われる理由の一つは、別荘を所有すると維持管理費や税金など多くの費用がかかるため、しっかりと資金計画ができていないと支払いができなくなる可能性があることが挙げられます。また都市と比べて利便性が低いことや距離の遠さなどの理由で当初の予定より別荘を利用することが少ないといった例も多いです。
失敗にはいくつかの共通点があるため、失敗事例から学ぶことでリスクを軽減させられるでしょう。
投げ売りされている理由とは
物件によっては数十万円で売りに出されているものも珍しくはありません。理由としては持ち主が所有する別荘に価値がないと判断しており、維持費用の負担も大きいことから多少の損があっても売却したいと考えていることや、加齢によって別荘地へ赴くことが難しくなり空き家やとなってしまったケースが挙げられます。
売却をしたくてもなかなか買い手が見つからず、その間に建物は痛み資産価値が大きく下がってしまうことも考えられるでしょう。古い別荘は多くのリフォームが必要となる可能性が高いこともあり、需要が少ない傾向にあります。
別荘暮らしのメリット
次に別荘暮らしのメリットを見ていきましょう。
プライベートの時間が充実する
都市から離れた静かな環境の別荘地では周りの雑音に悩まされることもなくゆっくりとした時間を過ごせます。自然を楽しんだり、読書をしたり、プライベートの時間が充実することで仕事や日常生活にも活力が出るでしょう。
非日常の体験を楽しめる
周りに森林が多い場所や海が見える丘、家庭菜園や温泉付きの別荘など、選択の幅が広く移住する地域によって様々な非日常を体験できます。別荘地では都市に住んでいる場合には見られない多くの発見や感動を味わえるでしょう。非日常を思う存分に体験できることが別荘暮らしの醍醐味です。
ワーケーションに利用できる
リモートワークが可能な職種であれば別荘地はワーケーションに最適な環境です。自然豊かな環境を楽しみながら仕事を行えるため、リフレッシュに最適でワークライフバランスも改善されます。ONとOFFの切り替えが難しいと言われるワーケーションですが、自身の所有する別荘地であれば周りの環境も慣れたもので、切り替えもスムーズに行えるでしょう。
有事の際は避難先にできる
未曾有の災害や新型コロナウイルスなど見えない危険性とも隣り合わせの近年、別荘を何かがあった際の避難先としての用途も考えて購入する人が増えています。有事の際は自宅が一時的に使えなくなることも考えられますので、都市から離れている地に別荘があることは大きな利点になるでしょう。
セカンドハウスにすることで税金の軽減措置が受けられる
通常別荘とは常に生活し過ごすための家ではなく、避暑や避寒などの目的で利用する建物のことを指します。多くの不動産税が挙げられますが、セカンドハウスとして認められれば税制上の優遇を受けられ、固定資産税や不動産取得税、都市開発税などが軽減されます。取得後60日以内に、最寄りの都道府県税事務所へ申請する必要があり、月に1回以上利用していなければ申請許可が下りることはないので注意しましょう。
別荘暮らしのデメリット
別荘暮らしは多くの人にとって憧れでもありますが、デメリットも存在します。
セキュリティ面のリスクがある
別荘地には毎日滞在する訳ではないため、空き巣が入る危険があります。初期費用や月額料金はかかってしまいますが、対策としてホームセキュリティの導入を検討することも良いでしょう。空き巣対策だけでなくガス漏れや火災などが発生した時に警備員が駆けつけてくれます。また地域によっては野生動物が入ってくる可能性もあるため、柵を設置するなど動物が近づかないための環境作りをする必要もあるでしょう。
定期的なメンテナンスが必要になる
別荘を所有することで必然となるデメリットの1つが、定期的なメンテナンスが必要となることです。別荘地に訪れた際にまず行うこと管理人さんがいない場合、到着したらまずお掃除になります。布団にも布団乾燥機をかけたり、帰る前にも、全て片付けて、電気のブレーカーも切り、冷蔵庫のものも全部片付けて、ゴミも持って出る必要があります。さらに管理事務所がある別荘地の場合は、共用部の管理費コストもかかります。
住民税など税金の支払いが多い
住所登録をしていない地域に別荘がある場合でも、維持費として一律負担となる均等割が起用されることや固定資産税、都市開発税などがかかってきます。住所以外の地に別荘を所有することは多くの人にとって憧れではありますが、購入時、保有時、売却時に様々な税金を支払う必要があります。
移動時間がかかる
別荘を持つのであれば自宅から近い場所ではなく、離れた地を選ぶことが一般的です。だからこそ非日常を味わえるメリットがありますが、同時に移動時間がかかってしまうデメリットがあります。たとえ気に入った場所だとしても、長時間の移動が何度も続くのであれば少しずつ利用頻度が減ってしまう可能性があるため、別荘地は自宅から近すぎず遠すぎない場所を選ぶと良いでしょう。
別荘で失敗しないために
別荘選びに失敗すると時間や金銭的にも大きな損失ですが、注意すべき点を事前に知っておくことでリスクを減らせます。
賃貸に適した環境か事前に調査を行う
別荘を利用しない期間は人に貸すことによって収益を得られますが、ニーズの低い環境であればいくら呼び込みをしたところで集客には繋がりません。購入したい物件の詳細や近隣にある別荘地の賃貸状況など、事前に調査をすることによって賃貸に適した物件か判断できます。個人で判断することが難しい場合は不動産のコンサルティング会社に調査を依頼することで物件の不透明さをなくし、正しい情報を手に入れられます。
環境が変化した場合にも利用できるか確認する
別荘を購入した時の状況が必ず続く訳ではありません。もしかしたら家族構成や、自身の体調に何らかの変化が出てくる可能性があるため、自身の環境が変わることも考慮した上で立地条件など良い場所を選ぶことが大切です。
たとえば階段が多い場所は高齢になってからでは使い難いため、バリアフリー化させる必要もあるかもしれません。将来的にそのようなリフォーム、リノベーションができる環境かどうか確認すると良いでしょう。
別荘の利用頻度を検討する
別荘を購入後、思っていた以上に利用する機会が少なかったため、手放すことを決めたというケースは多いです。事前に利用頻度はどの程度になるかと検討することで、購入するべきか、それとも賃貸として利用すべきか判断できます。何度も利用するつもりでも距離や時間の問題から足が遠くなったという例も多いため、まずは実際に住んでから購入すべきかどうか検討するのも一つの手です。
年収と費用のバランスを考慮する
現実的に年収と費用のバランスが悪ければどれだけ条件の良い物件選びができていたとしても失敗する可能性が高いです。収入と支出のバランスに問題がないと判断できる場合でも、時に急な出費が出ることもあるため、自身の負担が大きくならないよう余裕をもった資産計画が必要です。
リフォームがどの程度必要か確認する
別荘を所有するには新築か中古物件どちらかを選びますが、多くの場合は中古物件を選択することになるでしょう。新築に比べると購入費が安いことや、古い設備があったとしてもリフォームすることで多くの問題が解決できます。
しかし膨大なリフォームが必要である場合や、建物の構造によってリフォームができない物件も存在しますので物件選びは慎重に行いましょう。
まとめ
別荘暮らしにはメリットも多い反面、失敗をしてしまうケースも多々ありますが、事前に物件や周りの環境を調査し、考察することによってリスクを大幅に減らせます。
投げ売りされている別荘も多いですが、重要なことは値段で決めるのではなく実際の利用頻度を検討することや、環境が変化した場合でも使い続けられるかなど、様々な点から考察する必要があります。失敗事例や注意すべき点を知ることで失敗のリスクは軽減され、別荘のメリットを最大限に活かせるでしょう。
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