「HakobuNeハンドメイドセレクトショップ」は熊本市電・神水交差点駅より徒歩2分。マンションの1階にあり、2021年の5月に店舗をOPENしました。店内に並べられたたくさんのハンドメイド雑貨。それらの作家さんは別名crew(日本語訳:乗客)と呼ばれています。


今回、かずさんとなーちゃんさんの二人三脚で経営されている、HakobuNeハンドメイドセレクトショップに行ってきました。



職場で出会い、苦楽を共にした後に自営業として独立

HakobuNeハンドメイドセレクトショップを経営される前までは、お二人とも外資系企業の会社員として勤務されていました。かずさんは外資系企業の医療機器メーカー部門の営業、なーちゃんさんは臨床検査技師として同じ会社にそれぞれ入社。同じチームに配属されたことが出会いのきっかけです。


かずさんは鹿児島県で生まれ育ち、医療機器のメンテナンスエンジニアから営業に転職。関西を中心に働いていましたが、地元に近い九州方面で働きたいと考えるようになり、その後外資系企業からヘッドバッティングをされて、熊本で働き始めました。なーちゃんさんは熊本市内で生まれ育ち、臨床検査技師専攻の学校を卒業後、業界問わず様々な企業で臨床検査技師として勤められていました。


当時は別の外資系企業と統合したばかりで、新たにできた部門の立ち上げスタッフとしてお二人は入社。初めてのことだらけで手探り状態の中、大変ながらも充実した日々を過ごされていました。


働いていく中でかずさんは昇進し、九州部門のエリアマネージャーに就任。多忙なため、当時自分の時間が全くなかったとおっしゃっていました。このまま働き続けたら体力的に命が危ないといわれ、ドクターストップがかかってしまい、退社。その後、昔から大好きだった和雑貨でのものづくりをやっていきたいと考え、横浜で和雑貨制作(屛風アート)の修行を積み、和をモチーフとした自分の作品をマルシェに出店されました。


そして、なーちゃんさんは臨床検査技師として入社しましたが、長年働くうちに業務が減っていき、後に退社。 先にかずさんが退社後、横浜でハンドメイドアクセサリーの修行を数年間積んでいたところに、なーちゃんさんも加わり、2015年に共に開業となりました。


ですが、軌道に乗り始めた1年後に熊本地震が発生。地震の影響で熊本ではイベントがなくなってしまったため、県外を中心としたマルシェに出店し、生計を立てられていました。 2016年~2020年まで熊本県内外各地のマルシェに出店されていましたが、コロナ禍を期に、またもやイベントが激減。 このことをきっかけに熊本にHakobuNeとして固定の店舗を持つことを決意されました。


店内に並べている商品の数々は、日本各地のマルシェで出会ったハンドメイド作家さんの方々の作品です。声を掛け、協力いただいている方は熊本県内在住の方だけではなく、石川県や秋田県、新潟県、福島県、神奈川県など熊本県外在住の方も多くいらっしゃいます。



ハンドメイド作家さんの作品とともに自身の作品も販売 

店内はハンドメイド作家さんの商品が販売されていますが、「J style art Kz」の名で活動しているかずさんが製作された作品も販売しています。


主に、友禅和紙と和柄生地のコラボレーションによるハンドメイドや屏風アートのリメイクなどがあります。

かずさんによる屛風アート


写真は、かずさんが制作された風神雷神の屏風アートです。歴史の教科書で見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。 


かずさんによる花札のイヤリング


花札をモチーフとしたピアスやイヤリングは、ベース部材にヒノキを使用しているので、見た目より軽量。友禅和紙で表裏漆(合成透明)にてコーティングしているので、小雨などの生活防水にも耐えられるそうです。 


かずさんによる寿司のピアス


こちらはお寿司の形をしたピアス。珍しく、来店したお客様が毎回驚かれるそうです。特に和をモチーフとしたイヤリングは着物や浴衣のデザインに合わせてつけると、よりいっそうおしゃれに。 



多彩な作品があり、どれも魅力的で迷ってしまいそう

ハンドメイド作家さんは、年間を通して40組程度お付き合いがあります。オープン当初は4組程度のハンドメイド作家さんとのお付き合いから始まりました。徐々にハンドメイド作家さんが増えていき、今年度は20組程度の作家さんの商品を取り扱っています。マルシェに出店するときは作家さんにも声をかけるので、2人だけではなく、数人単位のチームとして毎回参加されています。 


また、2021年5月にオープンしてから現在までの間、ハンドメイド作家さんから委託販売の依頼の問い合わせが絶えずあるそうです。現在は満杯のため、契約期間の終了次第待っていただいている状況です。


委託販売の問い合わせが始まったきっかけとして考えられるのが、コロナ禍になり、自宅にいる機会が増えたためハンドメイドを始めた人が増え、ハンドメイド作家さんが急増したのが理由ではないかと話されていました。


ののはなさんによるハーバリウムの作品


現在お付き合いのある、ハーバリウムの作品を製作されている「ののはな」さん。ボールペンをメインに制作されていますが、なんと電卓も制作されています。 ソーラー電池を使っているため、おしゃれなだけではなく、きちんと電卓としての機能もあります。 



ワークショップではハンドメイド作りが学べる

この日は、調香司の「じぐーる」さんによるお香作りのワークショップが行われていました。調香司とは、調香から仕上げまでの香り作りにおける全品質を管理し、責任を担う人のことです。九州では数名程度資格を取得されています。じぐーるさんは熊本でお香の調合、制作、販売をされ、伝統的なお香を日常の癒しになるよう普及活動をされています。


お香作りのワークショップの様子


お香のワークショップは2022年では全5種類開催されました。今回のワークショップの内容は、粉末状に加工された香木(樹木から採れる香料のこと)を調合し、お香の原料として使われているタブ粉をつなぎで加え、棒状にします。お香を練ったあとは、型取りをします。じぐーるさんいわく、真っ直ぐに型取りをするのは慣れるまでは難しいと話されていました。


他にもUVレジンアクセサリーや、しめ縄作りなどのワークショップもされています。


ハンドメイドアクセサリーに使用する金具


ワークショップ後に本格的なハンドメイド制作にチャレンジしてみたい方のために、ニッパーやUVレジン液、アクセサリーの制作に使用するパーツ類も販売されているので、ぜひチャレンジしてみてください。


ハンドメイドアクセサリーに使用するUVライトやレジン液



ただの雑貨屋さんではなく、驚きのあるアミューズメントショップにしていきたい

犬用の洋服も販売されていて、こちらは人間用の洋服生地をリメイクして制作されました。「試着のために、愛犬を連れての来店も大歓迎です」とのこと。 


犬用の洋服


また、ハンドメイド作品を取り扱っているお店は店内で飲食厳禁というイメージがありますが、なんとHakobuNeではフードメニューを取り扱っています。 オープン当初からフードメニューを取り扱う予定でしたが、食品衛生法の改正によりキッチンをリフォームしていたため、半年後にフードメニューを取り扱うことになりました。 お客様もフードメニューをずっと心待ちにしていたとのこと。


ハンドメイドのお店ながら、扱うメニューは奄美大島の郷土料理でもある鶏飯やさつまいもスティック、綿菓子、かき氷などさまざま。 夏季限定のかき氷は、お子さまに人気だったそうです。テイクアウト用として提供されていますが、店内に飲食できるカウンター席もあります。


混植いろいろ米


そして、ハンドメイド作家さんの嫁ぎ先のご家族が米農家だったことで、お米も販売されています。「混植いろいろ米」という商品です。もち米(赤米・黒米)とうるち米(赤米・黒米)の4種類でできており、お米と一緒に混ぜて炊くそうです。塩を少しつけておにぎりにすると、モチモチプチプチ食感です。今は台風の影響で延期になっていますが、毎週金曜日に熊本県八代市で採れた野菜が販売されていた時期もあったそうです。カブトムシが店頭で販売されていたこともあるそうなので、定期的に訪れて何が置いてあるのかを見るのも楽しみですよね。


店舗だけではなく、マルシェでの交流も大事に 固定のお店をオープンされた現在も、長崎や佐賀など熊本県外のマルシェにも積極的に出店されています。毎年県外のマルシェに行った時に、昨年買ってくださったお客様が商品を身につけてまた来られたときに、嬉しさを感じるそうです。


かずさんとなーちゃんさんは人との交流を大事にし、今日も元気にお店で働いています。



■ HakobuNeハンドメイドセレクトショップ


公式HP

kanzlifesupport.com


住所

〒862-0911

熊本県東区健軍4丁目3−7 アベニュー神水102


営業時間

10:00-18:00


定休日

水曜日


Instagram

@hakobune2021jsak